Item type |
学位論文 / Thesis or Dissertation(1) |
公開日 |
2010-02-22 |
タイトル |
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タイトル |
DNAマイクロアレイを用いたラン藻 Synechocystis sp. PCC 6803 における塩ストレス及び高浸透圧ストレス誘導性遺伝子の網羅的解析 |
言語 |
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言語 |
jpn |
資源タイプ |
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資源タイプ識別子 |
http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec |
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資源タイプ |
thesis |
著者名 |
兼崎, 友
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フリガナ |
カネサキ, ユウ
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著者 |
KANESAKI, Yu
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学位授与機関 |
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学位授与機関名 |
総合研究大学院大学 |
学位名 |
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学位名 |
博士(理学) |
学位記番号 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
総研大甲第606号 |
研究科 |
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値 |
生命科学研究科 |
専攻 |
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値 |
X2 分子生物機構論専攻 |
学位授与年月日 |
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学位授与年月日 |
2002-03-22 |
学位授与年度 |
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値 |
2001 |
要旨 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
本研究は、ラン藻における塩ストレス及び高浸透圧ストレス応答の機構を分子レベルで解明するために行われた。<br /> 第1章では、本研究の意義及びストレス応答に関する研究の背景をまとめた。植物のストレス応答機構を解明することの重要性と、そのためのモデル系として、ゲノム解析が終了したラン藻Synechocystis sp. PCC 6803が有利な材料であることについて述べた。また、Synechocystis用のDNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析と、ラン藻においてこれまでに明らかにされている塩ストレス耐性の機構をまとめた。<br /> 第2章では、塩ストレス及び高浸透圧ストレスが、ラン藻に対して生理レベルでどのような効果を及ぼすかについて解析した結果をまとめた。細胞の生育においては、Synechocystisは塩ストレスよりも高浸透圧ストレスに対してより感受性を示した。また、0.5M NaClもしくは0.5M sorbitolが引き起こす高浸透圧ストレスによる脱水効果を比較するため、スピンプローブを用いたEPR法により細胞質体積の変化を解析した。その結果、0.5M sorbitolは、長時間にわたって細胞質体積を大きく減少させるが、0.5M NaClによる効果は相対的に弱く、しかも一時的なものであることが明らかになった。これらの結果、塩ストレスが細胞に及ぼす主要な効果はイオンによるストレスであり、高浸透圧ストレスとは生理レベルで異なっていることが明らかになった。<br /> 第3章では、さらに遺伝子発現のレベルでの塩ストレスと高浸透圧ストレスの比較を行うため、DNAマイクロアレイを用いた網羅的な遺伝子発現解析を行った。その結果、塩ストレス及び高浸透圧ストレスにより、全遺伝子中の約1割の遺伝子が、発現の誘導もしくは抑制を受けることが明らかになった。そのうちの約半数は、コードするタンパク質の機能が同定されていない遺伝子であった。これらは、塩ストレス及び高浸透圧ストレスに対する耐性及び適応の機構が、これまで考えられてきたよりも複雑であることを示唆するものであった。また、DNAマイクロアレイにより得られた発現の誘導比は、従来のNorthern blotting法と比べてもそれほど大きな差が無いことも明らかになった。さらに、ストレスにより発現の変化が見られた遺伝子を誘導比に基づいて分類した結果、塩ストレスもしくは高浸透圧ストレスに特異的な発現の変化を示す遺伝子群が存在することが明らかになった。それらの多くは、細胞内の特定の機能や化合物の代謝に関わる一連のタンパク質をコードした遺伝子群であることが明らかになった。塩ストレス特異的に発現が誘導される遺伝子は、リボゾームタンパク質などの一群であった。高浸透圧ストレス特異的に発現が誘導される遺伝子は、リポタンパク質などの一群であった。さらに、塩ストレスと高浸透圧ストレスの両方で発現が誘導される遺伝子は、熱ショックタンパク質やシグマ70因子などの一群であった。同様に、ストレスに特異的な発現の抑制を受ける遺伝子も、同じ機能に関わる遺伝子間で共通の制御を受けている傾向があることが明らかになった。塩ストレス特異的に発現が抑制される遺伝子は、脂質不飽和化酵素などの一群であった。また、塩ストレスと高浸透圧ストレスの両方で発現が抑制される遺伝子は、光化学系 I やフィコビリゾームを構成するタンパク質などの一群であった。これらの結果は、細胞における塩ストレスと高浸透圧ストレスの作用点の違い、及びシグナル伝達経路の違いを示唆するものであった。一方で、両方のストレスに共通した遺伝子発現制御の機構が存在することも示唆された。<br /> 第4章では、総合考察として、DNAマイクロアレイによる解析の利点及び問題点に関して論じた。また、本研究の今後の展望について考察した。 |
所蔵 |
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値 |
有 |
フォーマット |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
application/pdf |