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ペルオキシソームタンパク質輸送機構の解析
https://ir.soken.ac.jp/records/1360
https://ir.soken.ac.jp/records/1360f2045cc1-31e5-416b-9795-6fbcf8a1d2a2
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (277.0 kB)
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本文 (9.6 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | ペルオキシソームタンパク質輸送機構の解析 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
二藤, 和昌
× 二藤, 和昌 |
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フリガナ |
ニトウ, カズマサ
× ニトウ, カズマサ |
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著者 |
NITO, Kazumasa
× NITO, Kazumasa |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第608号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 生命科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | X2 分子生物機構論専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2002-03-22 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 2001 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 高等植物のペルオキシソームは個体の成長段階に合わせて、その酵素群を変化させ様々な生理機能を果たしている。脂肪性種子の発芽段階において、ペルオキシソームは内包する脂肪酸β酸化系とグリオキシル酸回路の諸酵素を用いて、子葉に蓄えられた貯蔵脂肪を糖へと変換するために中心的に機能する。そして、さらに生長が進み光を浴び、緑化すると脂質代謝を担っていた酵素群は減少し、変わって光呼吸に関与する酵素群がペルオキシソーム内に蓄積し機能しはじめる。このようなペルオキシソームの劇的な機能転換には、翻訳後のペルオキシソームタンパク質が適切にペルオキシソームへと輸送されることが重要である。そこで本研究論文では、ペルオキシソームタンパク質輸送の分子メカニズムという視点から、ペルオキシソームの機能獲得について理解するべく研究を進めた。<br />第1章では、ペルオキシソーム膜タンパク質のAtPex14pを欠損した結果、ペルオキシソームのPTS依存的タンパク質輸送が低下し、そのためペルオキシソーム機能不全となったped2変異体を足がかりとして、マトリクスタンパク質輸送機構の解明を行った。AtPex14p以外にペルオキシソームへのタンパク質輸送に関わる因子として、PTS1レセプターとPTS2レセプターとして機能する可能性が示唆されているAtPex5pとAtpex7pのcDNA配列がシロイヌナズナで報告されており、これらも含めて機能を同定した。<br />ペルオキシソームタンパク質輸送過程における機能分担を明らかにするため、AtPex14P、AtPex5p、AtPex7p、PTS1型タンパク質、PTS2型タンパク質間の相互作用について解析を行ったところ、以下の結果が得られた。(1)AtPex14pはAtPex5pと結合するが、AtPex7pおよびPTS1型タンパク質、PTS2型タンパク質とは直接結合しない。(2)AtPex5pはPTS1型タンパク質と結合する。(3)AtPex7pはPTS2型タンパク質と結合する。(4)AtPex5pはAtPex7Pと結合する。(5)それぞれの結合領域は互いに重複していない。以上の結果から、新規に合成されたPTS1型タンパク質およびPTS2型タンパク質は細胞質中に存在するAtPex5p-AtPex7pレセプター複合体によって捕捉された後に、AtPex5pを介してペルオキシソーム膜上のAtPex14pに結合し、巨大な初期輸送複合体を形<br />成すると考えられる。さらに、AtPex7PがAtPex5pを介してAtPex14pと結合することから、シロイヌナズナにおいてPTS2型タンパク質の輸送がAtPex5pに依存的であり、付加的な経路であることが示された。<br />また、シロイヌナズナの様々な器官における、これら3つの輸送因子の発現をイムノブロットにより解析したところ、AtPex14pとAtPex5pはほとんどの器官で検出されるのに対して、PTS2レセプターのAtPex7pは限られた器官でのみ検出された。この結果は、PTS2型タンパク質の発現は高い器官特異性を持っていることを反映しており、これらの発現が植物ペルオキシソームの機能分化を支えている可能性を示唆している。<br />第2章では、マトリクスタンパク質とは異なる経路で輸送されていることが示唆されているペルオキシソーム膜貫通型タンパク質の局在化機構について解析を行った。この解析にはペルオキシソームに局在する31kDa膜貫通型タンパク質であるアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(pAPX)を用いて行った。<br />pAPXの細胞内局在をショ糖密度勾配遠心法により解析したところ、pAPXはペルオキシソーム画分のみならず、小胞体画分にも検出された。しかしながら、マグネシウムシフト法による解析の結果からは、少なくともpAPXが粗面小胞体に局在する可能性は否定され、それ以外の何らかの膜系に局在することがわかった。pAPXがどのような膜構造物に局在しているかを免疫電子顕微鏡観察により解析したところ、pAPXはペルオキシソーム膜に局在するとともに、未同定の膜構造物上にも検出された。この結果はpAPXの局在化に未同定の膜構造物が関与することを示唆している。ペルオキシソーム膜貫通型タンパク質の局在化がこのような膜構造物を介して輸送されているという可能性は、ペルオキシソーム形成における由来や分泌小胞との関連を考察する上で興味深い。<br />本研究により、高等植物ペルオキシソームへのマトリクスタンパク質、膜貫通型タンパク質両輪送機構の一端が明らかになった。これらの結果は輸送機構のみならず、これまで不明であったペルオキシソームというオルガネラの起源や新規なペルオキシソーム機能に関して新たな知見を与えるものと考えている。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |