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アイテム
韓国テレビドラマの感情移入的視聴による偏見逓減効果
https://ir.soken.ac.jp/records/139
https://ir.soken.ac.jp/records/1396b9d7d4e-1622-415c-9c5d-b8fd18f037f6
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 (417.0 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 韓国テレビドラマの感情移入的視聴による偏見逓減効果 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Effects of Empathic Viewing of Korean TV Drama on Prejudice Reduction | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
長谷川, 典子
× 長谷川, 典子 |
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フリガナ |
ハセガワ, ノリコ
× ハセガワ, ノリコ |
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著者 |
HASEGAWA, Noriko
× HASEGAWA, Noriko |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(学術) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第1185号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 文化科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 05 メディア社会文化専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2008-09-30 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 2008 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 本論文は、韓国テレビドラマ『冬のソナタ』の視聴が、韓国・韓国人に対するイメージの<br />向上や偏見の逓減をもたらす過程を、視聴者の心理的変化とドラマへの「感情移入的視聴」に<br />焦点を当てて明らかにした実証研究である。本論文テーマに着目した動機は、『冬のソナタ』<br />を視聴した周囲の人々の態度変容、およびインターネット掲示板の内容分析結果(長谷川<br />2004)から、『冬のソナタ』視聴が韓国・韓国人に対する偏見逓減の要因である可能性が示唆<br />されたことによる。本論文では「登場人物の立場に立って物を見、また登場人物の気持や感<br />情に情緒的に反応しながら視聴すること」を「感情移入的視聴」とし、偏見の逓減を、「否定<br />的態度や信念、感情が減少し、肯定的態度や信念、感情が増加したことが認められた場合」<br />と定義している。本論文では、『冬のソナタ』視聴における「感情移入」がいかなる心理的変<br />化を生んだのかを、質問紙調査および個人別態度構造(PAC:Personal Attitude Construct)<br />分析法による面接調査を組み合わせた混合研究手法を用いて分析した。PAC分析法の経時的<br />使用により、視聴者の心理変容過程における肯定的なコアイメージの保持と否定的なイメー<br />ジの消失を明らかにした。さらに、分析結果をもとに韓国ドラマを中心とした異文化メディ<br />ア視聴による偏見逓減効果の理論的説明を試み、それを新たな偏見逓減モデルとして提示し<br />た。 第1章では、著者の個人的体験からの関心を踏まえ、『冬のソナタ』に着目した理由と本論<br />文テーマに取り組んだ背景および研究の目的・意義について述べている。第2章では、従来<br />のテレビ研究ではイメージ形成や変容をもたらす効果については多様な研究がなされたが、<br />偏見のような「信念・価値レベル」への影響については効果があまりないとされてきたこと、<br />主として否定的ステレオタイプや偏見の流布や助長といった否定的な側面のみに目が向けら<br />れ、本研究のように対象国のイメージの改善や偏見の逓減など肯定的な側面に焦点を当てた<br />研究は比較的軽視されてきたこと、さまざまな立場のテレビドラマ研究においても、ドラマ<br />に描かれた対象国の印象形成にかかわる要因の解明についてはほとんど取り扱われていない<br />こと、などの点を指摘し、本研究の学術的意義および新規性が論述されている。第3章では、<br />方法論の検討を行い、質問紙調査法および内容分析法について解説するとともに、PAC分析<br />法の採用理由を述べ、混合研究法における量的・質的方法とそれぞれの問題点や限界につい<br />ても指摘した。<br /> 本論文の中核は、第4章から第7章の調査研究である。第4章では、韓国テレビドラマ<br />『冬のソナタ』の視聴者を対象に質問紙調査を実施し、ドラマ視聴による調査協力者の韓<br />国・韓国人に対する意識変化のあり方について量的・質的な分析を行った。分析の結果「感<br />情移入的視聴」により韓国・韓国人に対する関心度が増加し、イメージが肯定的に変容す<br />るという変化が生じたことを確認した。第5章では、韓国・韓国人に対する偏見の逓減に<br />関わる要因として「感情移入的視聴」に加えて、インターネット利用頻度など諸要因の影<br />響を質問紙調査により分析した。「韓国に対する偏見の逓減」、「日韓の歴史への興味喚起」、<br />「韓国イメージの改善」を従属変数とする3種類のステップワイズ法による重回帰分析に<br />より、韓国ドラマの「感情移入的視聴」は、韓国に対する偏見の逓減、韓国イメージの改<br />善、日韓の歴史への興味喚起などを生起する要因となっていることが確認された。第6章<br />では、質問紙調査の限界を克服すべく、個人の深層心理に深く切り込むことができるPAC<br />分析法を用いた面接調査によって、『冬のソナタ』視聴者に生起した韓国・韓国人に対する<br />イメージ、否定的ステレオタイプ、偏見などの心的変容について詳細に検討した。その結<br />果、韓国ドラマの「感情移入的視聴」は、韓国・韓国人に対する否定的ステレオタイプや<br />偏見の逓減を導く効果があることが示唆された。第7章では、第6章の面接調査協力者の<br />半数を対象に、同じPAC分析法により2年後再調査を実施した。その結果、『冬のソナタ』<br />の「感情移入的視聴」により形成された肯定的なコアイメージが2年間保持されたと同時<br />に、否定的イメージが逓減あるいは消失されたことが確認された。すなわち、韓国ドラマ<br />の「感情移入的視聴」には、韓国・韓国人に対する偏見減少の持続効果もあることが明ら<br />かになった。<br /> 最終章では、第4章から第7章の調査結果にもとづき、異文化テレビドラマの「感情移<br />入的視聴」による偏見逓減効果を理論的に説明する新たな偏見逓減モデルを提示した。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 |