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アイテム
Neuronal mechanism of mirror movements caused by dysfunction of the primary motor cortex in the monkeys
https://ir.soken.ac.jp/records/1453
https://ir.soken.ac.jp/records/14539312cabb-8bd1-4c96-85e5-44ac244c61ad
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 (304.4 kB)
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本文 (10.1 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-03-24 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Neuronal mechanism of mirror movements caused by dysfunction of the primary motor cortex in the monkeys | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Neuronal mechanism of mirror movements caused by dysfunction of the primary motor cortex in the monkeys | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | eng | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
坪井, 史治
× 坪井, 史治 |
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フリガナ |
ツボイ, フミハル
× ツボイ, フミハル |
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著者 |
TSUBOI, Fumiharu
× TSUBOI, Fumiharu |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第1259号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 生命科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 20 生理科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2009-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 2008 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 鏡像運動(ミラー・ムーブメント)は、片側の肢を随意的に動かそうとすると反対<br />側の肢も動いてしまうという現象である。鏡像運動は幼児期や、Klippel‐Feil症候群や<br />X染色体性Kallmann症候群などの先天性の遺伝的疾患による患者、パーキンソン氏病<br />などの神経疾患を有する患者、脳卒中や脳損傷等で中枢神経系に障害を負った片麻痺<br />患者でしばしば観察されることがある。特に、脳卒中や脳損傷後に観察される鏡像運<br />動は運動障害の回復過程を評価するうえで有効な指標として検討されてきた。従って<br />脳卒中や脳損傷後に出現する鏡像運動の神経メカニズムを解明することは、運動障害<br />改善のためのより効果的なリハビリテーションを実践していくうえで重要であると考<br />えられている。これまで、鏡像運動が出現する脳卒中患者を対象に機能的磁気共鳴画<br />像法(fMRI)を用いた研究から、鏡像運動出現時には両側の感覚運動野の活動性が上<br />昇するとの結果が得られている。しかし、この活動が直接鏡像運動を生成しているの<br />か、あるいは鏡像運動にともなう末梢からの感覚入力を反映した活動の結果かどうか<br />は不明である。このように、ヒトを対象にした臨床実験からは鏡像運動出現の神経メ<br />カニズムを直接解明するには困難で、不明な点が数多く残っている。<br /> そこで、彼等は、ヒトの脳損傷時に出現する鏡像運動を、サルの一次運動野(M1) <br />の一時的な機能脱失モデルによって再現し、鏡像運動生成に関与する中枢機序を解明<br />することを目的に実験を行った。一時的な機能脱失にはGABA<small>A</small>受容体のアゴニストで<br />あるムシモルの微量注入(0.5-3μl)を用いた。注入したムシモルの濃度と量は完全に<br />運動が麻痺しない程度に調節しながら決定した。<br /> 課題は3頭のニホンザル(Monkey M : 6.2Kg、Monkey T : 4.5Kg、Monkey Y : 4.7Kg) <br />を対象に、専用のモンキーチェアーに座らせ、右手を固定した状態で左手による、サ<br />ルの前方に位置するチューブ内のイモの回収運動を行わせた。運動の開始はホール<br />ド・ボタン信号で、運動のフェイズ(reaching、grasping、eating)は光電センサ信号を<br />用いて判断した。 <br /> 鏡像運動の評価には、左右の手の動きを2台のビデオカメラで同時撮影して行う動<br />作解析と左右合計22種類(各11種類)の同名筋同士の筋電図(EMG)の解析を用いた。<br />また、皮質内微小電気刺激法(ICMS)によってM1の指領域、運動前野腹側部(PMv) <br />を同定してから、ムシモルを注入する部位を決定した。<br /> 3頭のサル全てにおいて、右M1指領域へのムシモルを注入後、運動課題中に左手の<br />運動障害が生じ、graspingフェイズとeatingフェイズにおいて右手に鏡像運動が観察さ<br />れた。更に、この鏡像運動はイモの回収を困難な条件にした場合により強く観察され<br />た。またそれに伴い、右手の伸筋ならびに屈筋のEMG活動の増大も確認した。次に、<br />左右同名筋同士のEMG振幅の値をX-Yプロットして比較した。その結果、ムシモル<br />注入後に、いくつかのペアの左右同名筋同士がcoactivationパターンにシフトしたこと<br />が確認された。左右同名筋同士の相互相関解析の結果、いくつかの筋で鏡像運動時に<br />時間差ゼロ周辺において相関係数のピークが増大していることを確認した。しかし、<br />一方で、一部の筋では機能脱失の影響で左手のEMG活動がほとんど消失しているのに<br />対して、右手のEMG活動が増大している例も確認された。この結果より彼らは、左<br />手の動きの指令がそのまま右手の動きを駆動しているのではないことを示唆している。 <br />その後更に、左M1の指領域ヘムシモルを注入したところ、右手に出現していた鏡像運<br />動は消失し、右手のEMG活動も低下し、X‐Yプロットによるcoactivationパターンも<br />見られなくなった。また、時間差ゼロ周辺の相互相関のピークも減少した。Monkey Y<br />についてはM1以外にPMvへも同様にムシモルを注入しても、鏡像運動ならびに相互<br />相関のピークの減少は確認できなかった。 <br /> 以上の結果は急性的なM1の機能不全モデルによる解析ではあるが、脳損傷等による<br />運動障害が生じて出現する鏡像運動は、鏡像運動が出現する手と反対側(健常側)の<br />M1が関与していることを示唆している。このことから、障害を受けた側のM1の活動<br />低下によって、半球間抑制の機能不全が生じ、健常側のM1の活動性が上昇していた可<br />能性が考えられる。そして、上述のように鏡像運動時のEMG活動量は、必ずしも左右<br />で並行しないこという結果と併せて考えると、障害側のM1からの指令が直接健常側の<br />M1を活性化して鏡像運動を生成させているというよりは、むしろ高次の運動中枢から<br />両側のM1への共通の指令があり、それが半球間抑制の低下とあいまって健常側のM1<br />を強く活性化することが鏡像運動の誘因であると示唆している。<br /> <br /><b>Abstract</b><br /> Mirror movements(MMs) are often observed in patients with some congenital<br />neurological diseases and hemiplegic after stroke. In the latter case, MMs are supposed<br />to reflect some aspects of recovery process. Therefore, understanding the neuronal<br />mechanism of MMs should contribute as a measure of rehabilitative training, but their<br />mechanism is not clearlv understood from indirect evidence obtained in human case<br />studies. Here we found that reversible inactivation of the primary motor cortex (M1)<br />induced MMs in the unaffected hand during voluntary grasping with the affected hand<br />in monkeys. Using this animal model, we investigated the origin of MMs after unilateral<br />dysfunction of M1. We found the MMs thus induced were completely abolished by<br />additional blockade of the contralateral M1. Detailed analysis of EMG revealed that<br />mirror EMG activity in the unaffected hand is temporally correlated but its amplitude<br />sometimes does not parallel with that of the homonymous muscle in the affected hand,<br />which suggests that the enhanced activation of the intact Ml leading to MMs was not<br />derived from the signal from the affected M1. Rather, the present finding suggests that<br />common drive of bilateral M1 from higher order structures and reduction in<br />inter-hemispheric inhibition concomitantly caused the MMs via enhanced activity of the<br />intact M1. | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |