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アセンオリゴマーの合成と有機トランジスタへの応用
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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![]() |
||
![]() |
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | アセンオリゴマーの合成と有機トランジスタへの応用 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
伊藤, 歌奈女
× 伊藤, 歌奈女 |
|||||
フリガナ |
イトウ, カナメ
× イトウ, カナメ |
|||||
著者 |
ITO, Kaname
× ITO, Kaname |
|||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第659号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 数物科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 07 構造分子科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2003-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
2002 | ||||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | エレクトロニクス産業への応用の期待から、有機半導体についての研究が最近盛んに行われている。しかしながら、実用化レベルの性能を持つ優れた有機トランジスタ材料はほとんど知られておらず、その基礎研究の重要性が高まっている。1本研究の目的は、有機トランジスタに適した安定な新規p型半導体を開発し、アモルファスシリコンに匹敵する高い移動度を実現することである。本論文では、新規有機半導体材料の新しいコンセプトとしてアセンオリゴマーを設計し、その合成と性質について詳細に検討した。さらにそれらを用いたデバイス評価と解析を行い、より最適な有機なトランジスタのための分子構造およびデバイス構造の構築を目指した。 (1)ナフタレンオリゴマーの合成と性質 オリゴ(2,6 - ナフチレン)の3量体(3N)および4量体(4N)を、パラジウム触媒を用いたSuzukiカップリング反応を用いて合成し、その性質について詳細な検討を行った。合成したこれらのナフタレンオリゴマーは可視部に吸収を持たないため無色の結晶である。溶液状態では青紫色、固体状態では青色の強い蛍光を示した。真空蒸着によって作成した薄膜は高い結晶性を示し、SiO2/Si基板に垂直より少し傾いていることがわかった。3Nおよび4NのFETを種々の基板温度で作成したが、今のところFET動作は観測されていない。 (2)アンドラセンオリゴマ一の合成と性質、およびトランジスタ特性 ナフタレンオリゴマーは種々の条件検討にもかかわらずFET動作を示さなかった。そこでナフタレンよりもひとつ大きなアセンであるアントラセンをオリゴマー化することを検討した。これによりHOMOエネルギーレベルを下げ、ホールの注入および生成を容易にすることが期待できる。さらに、π共役系を拡張することにより分子間のπ - π相互作用が増大し、ホール輸送性を高める可能性がある。そこで今回アントラセン2量体と3量体である2Aおよび3Aを設計し合成を行った。さらにアルキル基同士の自己組織化を利用し分子間π - π相互作用を増大させるために2A、3Aに二つのヘキシル基をつけたDH-2AおよびDH-3Aを設計しその合成も行った。これらの化合物の性質について詳細な検討を行い、さらにこれらの化合物を用いた有機トランジスタを作成しその結果について詳細な検討を行った。 アントラセンオリゴマ-2A、3A、DH-2AおよびDH-3Aは、パラジウム触媒を用いたSuzukiカップリング反応を用いて合成した。2Aおよび3Aは高い耐熱性を持つが、ジヘキシル体(DH-2A、DH-3A)では、アルキル基により分解温度が低下した。アントラセンオリゴマーは可視部に吸収を示す明るい黄色い結晶である。溶液(青色)あるいは固体(青緑から緑色)で強い蛍光を示す。ジヘキシル体では紫外可視吸収および蛍光スペクトルで長波長シフトが観測され、HOMO-LUMOギャップが小さくなっていることがわかった。電気化学的測定から、アントラセンオリゴマーは比較的安定なラジカルカチオンを与えるが、酸化電位はテトラセンよりも高いことがわかった。 ナフタレンオリゴマーとは異なり、ここで合成したアントラセンオリゴマーはそのすべてでトランジスタ特性が見られ、移動度は2Aく3AくDH-2AくDH-3Aの順で向上した。特にDH-3Aは0.18cm2/Vsとアモルファスシリコンに近い移動度を持つことがわかった。酸化シリコン表面の修飾や有機ポリマーを絶縁体として用いることで、移動度の更なる向上が期待される。チオフェンオリゴマーは最もよく研究されてきた有機半導体材料であるが、今回合成してその検討を行ったアンドラセンオリゴマーはそれよりも優れた有機トランジスタ材料であることがわかった。 2A、3AおよびDH-2AのX線回折では6次までの高次ピークが観測され、高い結晶性を持つことがわかった。結晶の層間距離と計算から求めた分子長の比較から、これらのオリゴマーは基板に対して垂直に立っていると予想される。一方、DH-3A分子は基板上に垂直より少し傾いて立っていることが示唆された。また、さらにAFMを用いた2Aの薄膜の表面観察によれば、基板温度の上昇に伴い、3次元的な島状成長(Volmer-Weber型)から2次元的な層状成長(Frank-van der Merwe型)に変化していくことがわかった。このことから微結晶のサイズが大きくなるとともに微結晶間での欠陥も少なくなり、より多くのドレイン電流が流れるようになることが示唆された。 |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa |