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アイテム
二酸化炭素多電子還元反応を目指した一酸化炭素の還元的活性化法
https://ir.soken.ac.jp/records/227
https://ir.soken.ac.jp/records/227c52717f4-fc0a-4a95-b357-4385b2897079
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (306.2 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 二酸化炭素多電子還元反応を目指した一酸化炭素の還元的活性化法 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
東門, 孝志
× 東門, 孝志 |
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フリガナ |
トウモン, タカシ
× トウモン, タカシ |
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著者 |
TOMON, Takashi
× TOMON, Takashi |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第665号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 数物科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 07 構造分子科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2003-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 2002 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 地球を取り巻いている大気の温度は、大気中の水分と二酸化炭素が地球表面から黒体放射で発せられる赤外線を吸収することで保たれている。一方、産業活動の活発化とともに二酸化炭素の排出量は増加の一途をたどり、これまで一定に保たれてきた大気の温度を急激に上昇させることが危惧されている。従って、生態系同様に二酸化炭素をC1源として効率よく有機化合物に還元することは、地球温暖化防止だけでなくエネルギー問題の観点から極めて重要な研究課題といえる。しかしながら、これまで金属錯体を触媒に用いた電気および光化学的二酸化炭素還元反応の生成物は、通常2電子還元体の一酸化炭素あるいはギ酸に限られている。金属錯体触媒による一酸化炭素発生はM-CO結合の還元的開裂に起因しており、また、低温での還元反応ではM-CO結合へのプロトン付加でH-C(O)Hの生成が報告されているが、フオルミル水素とフリーの二酸化炭素との反応でギ酸が生成する。このことは、CO配位子の還元的活性化法を確立することが二酸化炭素多電子還元反応を開発するための鍵反応であることを示している。 単座の1,8.ナフチリジン(napy)が配位した[Ru(bpy)2(napy-κN)(CO)]2+ (bpy=2, 2'-ビピリジン)は、1電子還元を受けるとnapyのフリーの窒素とRu-COの炭素との間でのN - G結合によるルテナサイクルの形成が赤外吸収スペクトルより示唆されている(スキーム1)。このような分子内におけるCO配位子とのメタラサイクルの形成はN-CO結合の還元的開裂の抑制および反応中間体の安定化に寄与すると考えられ、CO配置子の還元的活性化法として期待される。そこで本論文では、napyまたは6.ヒドロキシン2,2'.ビピリジン配位子(bpy-OH)を有したカルボニル錯体の還元反応による分子内環化反応性について検討した。また、[Ru(bpy)2(napy-κN)(CO)]2+に関しては、水中におけるカルボニル配位子の還元反応性についても検討した。 napy配位子以外でもケトエノール互変異性を有したbpy-OH配位子を用いて、同様に還元反応によってCO配位子と分子内環化反応が進行すると期待される。2,2':6'2"-ターピリジン配位子(trpy)との組み合わせによるルテニウム力ルボニル錯体はbpy-Oの配向により2種類の異性体が存在し(図1)、それぞれ別ルート経由で合成した。ケト型構造を有するbpy-Oの酸素とCO配位子の炭素が位置的に近接した[2]+では、構造解析の結果その原子間距離は約2.53Åであった。両方ルボニル錯体の電気化学的挙動および赤外吸収スペクトルの比較により、還元によってbpy-O配位子の酸素とカルボニル炭素との間でO-C結合を形成し、分子内環化反応の進行が明らかになった。 一方、napy配位子の場合、CO配位子の炭素以外にも求電子的性質を有したビニリデン錯体のα炭素とも分子内で結合し、ルテナサイクル構造を有した安定なカルベン錯体が生ずることをx線結晶解析により示された。また、[Ru(bpy)2(napy-κN)(CO)]2+に関しては水中における電気化学的挙動について検討した。[Ru(bpy)2(napy-κN)(CO)]2+のnapy配位子の還元反応(1.43VvsAg/Ag+)はアセト二トリル中と水中とで異なり、前者では1電子過程であるのに対して後者ではプロトン付加が伴った2電子還元が進行した。水中の反応で生成した還元体についてはその単離および結晶構造解析に成功し、napyとCO配位子との間でN-C結合が形成されたルテナサイクル構造を有していることが判明した(図2)。この結果より配位子の酸化還元反応によってCO配位子どの分子内環化反応が制御可能であることを明らかにした。また、水中でのプロトン付加が伴った2電子目の還元反応は、napy配位子上で水素化反応が進行しており、その結果CO配位子とのN-C結合は安定な共有結合となっている。単離したルテナサイクル錯体のカルボニルの還元反応性を水中で検討したところ(1.80VvsAg/Ag+)、Ru-C=O骨格がRu-CHOHに還元された錯体の存在をESI-MSより確認された。この結果は、分子内環化によるカルボニル配位子の捕捉がM-CO結合の還元的開裂を抑制しさらに2電子還元が可能であることを示しており、触媒的な二酸化炭素多電子還元反応の開発において重要な知見を与えた。 |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |