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シリコン表面へのOTS自己組織化単分子膜の形成と反応機構
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
![]() |
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | シリコン表面へのOTS自己組織化単分子膜の形成と反応機構 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
滝沢, 守雄
× 滝沢, 守雄 |
|||||
フリガナ |
タキザワ, モリオ
× タキザワ, モリオ |
|||||
著者 |
TAKIGAWA, Morio
× TAKIGAWA, Morio |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第748号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 数物科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 07 構造分子科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2004-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
2003 | ||||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 本論文の目的は二つある。ひとつは、オクタデシルトリクロロシラン(OTS)自己組織化単分子膜(SAM)の形成とその反応機構の解明である。もうひとつは、OTS-SAMの形成を制御することによって、固体基板表面上に脂質二分子膜を固定化する「アンカー分子」として機能することを実証することである。 ラングミュア-ブロジット膜(LB膜)作製法による有機単分子膜の研究は古くからなされているが、近年、この手法と異なった自己組織化現象を利用した成膜法が注目されている。特に、OTSのようなシランカツプリング剤を用いたSAMはナノパターニングやバイオセンサーなどへの応用が期待されている。OTS-SAMの形成は自己組織化反応の初期段階においてOTS分子がシラノールを形成し、分子同士、もしくは、基板と反応する。したがって、クロロシランがシラノール化する過程の研究がOTS-SAMの形成メカニズム解明において重要な役割を果たすと考えられる。 LB模作製法では脂質単分子膜や多分子膜の研究が盛んに行われている。例えば、固体表面上に支持された脂質二分子膜はバイオセンサーの部品としてや細胞膜表面現象研究のモデル細胞膜として取り扱われる。この手法で堆積する物質は脂質のような親水性部位と疎水性部位を併せ持つ両親媒性物質が用いられる。気水界面に展開した脂質はバリヤによって圧縮することにより、親水性部位が水中に、疎水性部位が大気中になるようにせり上がり、密集して膜構造を形成する。このとき、水中から親水性表面をもつ基板を引き上げると親水性部位が基板表面に向かうようにして脂質単分子膜が堆積する。これに対し、疎水性表面を持つ基板を引き上げると、脂質の親水性部位が疎水性表面に堆積することになり、配向した単分子膜構造を形成しない。このような観点から、一つの基板表面に親水性、疎水性を併せ持つ両親媒性の表面を用いて脂質LB膜を堆積したとき、どのような構造の膜が堆積するのか興味が持たれる。 本論文では第1章で序論を述べ、第2章で本研究において主な評価手法である原子間力顕微鏡(AFM)観察とLB膜作製装置の実験技術について述べた。 第3章では基板表面の濡れ性と溶媒中の水分濃度に対するOTS-SAMの形成について論じた。基板表面の濡れ性は水接触角(WCA)測定によって比較し、異なったWCAを持つシリコン基板を用いて島状にOTSを形成し、その表面をAFMによって評価した。AFM観察からWCAが高いほどOTS-SAM形成が遅いことがわかった。この結果はシリコン基板表面の水酸基密度変化にともなって島状OTS-SAMの形成速度が変化したためと考えられる。また、溶媒中の水分濃度を制御した際、OTS-SAMの形成速度が変化した。 第4章では第3章で得られた知見から、円状に欠損した島状OTS-SAMの形成とOTS-SAM表面上に堆積したリング状OTS凝集物の形成について説明した。どちらの現象も基板表面の濡れ性や溶媒中の水に関係があると考えられる。基板を浸す前にOTS溶液を攪拌することによって、飽和量を超えた水が溶液中に分散し、小さな水泡となる。OTSがこの水泡を覆うように吸着し、リング状OTS凝集物の核形成が行われたと考えられる。 第5章では島状OTS-SAM/SiO2基板表面への脂質DPPC単分子膜の堆積形態を調べ、島状OTS-SAMが脂質膜を固定化する分子アンカーとして機能することを実証した。湿式酸化シリコン基板と熱酸化シリコン基板の二種類の酸化基板表面に島状にOTS-SAMを形成し、これらの島状OTS-SAM/SiO<SUB>2</SUB>基板表面に脂質ジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)をLB膜作製法で堆積した。露出したSiO<SUB>2</SUB>表面上にはDPPC単分子膜が秩序よく堆積し、一方、島状OTS-SAM表面上では、単分子膜として堆積するはずの余分なDPPC分子が凝集して塊を形成した。DPPC凝集物の高さはおおよそ~5.5nmであり、これまでに報告されたDPPC二分子膜の高さ(5.0~6.0nm)と一致する。また、DPPC凝集物の面積が下地となっている島状OTS-SAM表面の面積の約半分であることから、DPPC凝集物はDPPCの二分子膜であると考えられる。また、表面形態のDPPC単分子膜堆積圧力依存性を調べた。堆積圧力の増加とともにDPPC単分子膜表面と島状OTS-SAM表面との高さの差が小さくなり、堆積圧力が35mN/mのとき、その差がほとんどなくなることがわかった。 以上のことから、SiO<SUB>2</SUB>表面の濡れ性や溶媒中の水分濃度という新しいパラメータを用いて、島状OTS-SAMの大きさや被覆率の制御が可能となった。湿式酸化SiO<SUB>2</SUB>基板を用いたときに形成したドット状OTS-SAMの形成機構を新たに提案した。また、島状OTS-SAM/SiO<SUB>2</SUB>基板表面へのDPPC単分子膜の堆積実験から、OTS分子のアルキル鎖とDPPC分子のアシル鎖間に強い疎水性相互作用が働くことで、島状OTS-SAMはDPPC単分子膜を側面から支持し、分子アンカーとして機能することを実証した。 |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |