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  1. 020 学位論文
  2. 物理科学研究科
  3. 08 機能分子科学専攻

両親媒性PS-PEG担持白金族触媒による水中高機能性触媒の開発

https://ir.soken.ac.jp/records/345
https://ir.soken.ac.jp/records/345
d56ce0fc-8e6f-474e-84f7-e633d167055f
名前 / ファイル ライセンス アクション
甲1028_要旨.pdf 要旨・審査要旨 (306.9 kB)
甲1028_本文.pdf 本文 (2.9 MB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2010-02-22
タイトル
タイトル 両親媒性PS-PEG担持白金族触媒による水中高機能性触媒の開発
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec
資源タイプ thesis
著者名 荒川, 孝保

× 荒川, 孝保

荒川, 孝保

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フリガナ アラカワ, タカヤス

× アラカワ, タカヤス

アラカワ, タカヤス

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著者 ARAKAWA, Takayasu

× ARAKAWA, Takayasu

en ARAKAWA, Takayasu

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学位授与機関
学位授与機関名 総合研究大学院大学
学位名
学位名 博士(理学)
学位記番号
内容記述タイプ Other
内容記述 総研大甲第1028号
研究科
値 物理科学研究科
専攻
値 08 機能分子科学専攻
学位授与年月日
学位授与年月日 2007-03-23
学位授与年度
値 2006
要旨
内容記述タイプ Other
内容記述 ポリスチレン-ポリエチレングリコール共重合レジン(PS-PEG)は有機溶媒のみならず、<br />水にも親和性を持つ両親媒性レジンとして知られている。当研究室では、これまでに両親<br />媒性PS-PEGレジンに固定化した遷移金属錯体触媒を開発し、多くのPdあるいはRh触<br />媒反応を水中で達成している。<br /> 今回、私はこの方法論を用い、安全で高効率な水中反応の開発を目標とし、以下の2つ<br />の研究を行った。すなわち、1)両親媒性PS・PEG担持Ptナノ触媒による水中でのア<br />ルコールの酸化反応と2)ピロロイミダゾロン・Pd触媒を用いた不斉鈴木宮浦反応と水中<br />反応への展開である。<br /> 金属ナノ粒子はその特異な電子状態や広い表面積から高度な触媒機能が期待される。当<br />研究室でも両親媒性PS-PEGレジン担持Pdナノ粒子触媒を調製し,これを利用した水中<br />でのアルコールの酸化反応やオレフィンの水素化反応、ハロゲン化アリルの脱ハロゲン化<br />反応等、種々の有機変換反応を実施している。<br /> 今回,Pt金属の特性に着目し,より活性が高く調製の簡便な触媒創製を行うべく,<br />PS-PEGレジン担持Ptナノ粒子触媒の開発および水中での酸素酸化反応の検討を行った。<br />PS-PEG・NH<sub>2</sub>レジンとKPtCl<sub>3</sub>(C<sub>2</sub>H<sub>4</sub>)を水中で混合し、1時間撹搾したところ、PS-PEGレ<br />ジンに固定化されたPt錯体が得られた。この固定化Pt触媒を水中においてベンジルアル<br />コールで還元することにより、両親媒性PS-PEGレジンに分散したPtナノ粒子を調製し<br />た。TEMによる観察では,平均粒子サイズ5.9土0.75nmのPtナノ粒子がレジン中に均<br />一分散していた。このPtナノ粒子触媒を用いて水中常圧酸素雰囲気下でのアルコールの<br />酸化反応を行った。<br />Ptナノ粒子触媒(5mol%)と1-phenylethanolを水中で混合し、常圧酸素雰囲気において<br />60℃で24時間攪拌した。反応終了後、ろ過し、レジン中に濃縮されている反応生成物を<br />抽出し、目的とするacetophenoneを収率82%で得た。また回収した触媒の再利用を検討<br />したところ、触媒活性を維持したまま5回の触媒の再利用が可能であった。また幅広い種<br />類のアルコールの酸化反応も行い、高収率で目的のケトンを得ることが出来た。さらに酸<br />素雰囲気下だけでなく、空気雰囲気下においても反応が進行し、収率良く対応するケトン<br />が得られている。<br />Phenyloctanolの酸化反応では、反応終了後超臨界二酸化炭素による抽出を行うことで、<br />有機溶媒を全く用いずに反応、後処理ができる完全水系反応精製系が確立できた。さらに<br />この触媒が大量合成にも適用できることを示すため、2.16g(20mmol)のベンジルアルコー<br />ルの酸化反応を検討し、2.41g(99%)の安息香酸を得ることに成功した。<br />また固相触媒を医薬品合成などで使用する場合、固相から漏れ出た金属が生成物へ残留し<br />てしまう問題がある。しかしPS・PEGレジン担持Pt触媒の場合、2-octanolの酸化反応に<br />おいて、生成物である2-octanoneにPtが残留していないことをICP分析により確認した。<br />このようにPS-PEGレジン担持Ptナノ粒子は、水中触媒機能を有し、またその触媒活性<br />が高く、回収;再利用が簡単であるため、中・大規模プロセスへの適用可能な触媒といえ<br />る。<br /> また一方で、軸不斉バイアリール骨格は、キラルユニットの一つであり、有機合成化学<br />や触媒化学において非常に重要な化合物である。軸不斉バイアリール化合物の触媒的自在<br />合成は、十分には確立されてはいない。<br /> 当研究室で開発したピロロイミダゾロン骨格をもつホスフィン配位子は、高度な不斉誘<br />起水中不均一系への展開を可能とする高機能不斉配位子である。今回筆者は、このピロロ<br />イミダゾロン骨格をもつ不斉配位子を用いた、不斉鈴木宮浦カップリングによる光学活性<br />ビアリールの合成を検討し、またその水中不均一条件下での実施を試みた。<br />1-Iodo-2-methyl-naphthaleneと5当量の2-methylnaphthalene-1-boronic acidをトルエ<br />ン中,10mol%の不斉配位子-Pd(OAc)<sub>2</sub>存在下,100℃,5時間反応に附したところ,<br />(S)-2,2'-dimethyl-1,1'-binaphthaleneが99%収率,90%eeの選択性で生成した。この触<br />媒は、様々な置換基を持つヨウ素化アリールおよびプロモ化アリールとアリールボロン酸<br />のカップリングに有効であることを50種類以上の組み合わせで確認し、対応する様々な<br />クロスカップリング生成物を51-91%eeの選択性で得ることができた。<br /> さらに水中で、1-iodo-2-methyl-napllthalene,2-methylnaphthalene-1-boronicacidと<br />樹脂担持不斉配位子-Pd触媒を混合し、100℃で反応を行ったところ、89%収率,87%eeの<br />選択性で(S)-2,2' -dimethyl-1,1' -binaphthaleneが得られた。<br /> このように、このピロロイミダゾロン骨格を持つ不斉配位子-Pd錯体は、不斉鈴木カッ<br />プリングに有効であり、中~高選択性で生成物を得ることができた。また配位子を<br />PS-PEG樹脂に担持することにより水中機能型触媒として働き、同不斉鈴木カップリング<br />反応において、中程度の選択性で生成物が得られることが分かった。
所蔵
値 有
フォーマット
内容記述タイプ Other
内容記述 application/pdf
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Ver.1 2023-06-20 16:13:53.093962
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