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アイテム
A Study of Atmospheric Excitation and GravityResponse to Earth's Wobble
https://ir.soken.ac.jp/records/387
https://ir.soken.ac.jp/records/387ff3fdfbe-92ee-4b49-9d6b-2ab69829394c
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (421.8 kB)
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本文 (6.1 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | A Study of Atmospheric Excitation and GravityResponse to Earth's Wobble | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | A Study of Atmospheric Excitation and GravityResponse to Earth's Wobble | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | eng | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
青山, 雄一
× 青山, 雄一 |
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フリガナ |
アオヤマ, ユウイチ
× アオヤマ, ユウイチ |
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著者 |
AOYAMA, Yuichi
× AOYAMA, Yuichi |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第453号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 数物科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 09 天文科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2000-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 1999 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 地球回転変動には極運動と自転速度変動がある.このうち極運動の大半は約1.2年の周期を持つ自由振動のChandler wobble(CW)と1年の周期をもつ強制振動のAnnual wobble(AW)からなる.近年,地球回転変動はVLBI(Very Long Baseline Interferometry)やGPS(Global Positioning System)と言った宇宙測地技術により1ミリ秒角を上回る高精度で観測されている.一方,地球は極運動による遠心力の変化を受け,重力場を変化させる.その重力変化はnGal(10<SUP>-11</SUP>m/s<SUP>2</SUP>)の高感度特性を持つ超伝導重力計(SG)によって観測されている. 自転速度の年周変化は,数値天気予報の4次元データ同化システムから得られる全球客観解析値に基づいて計算された大気角運動量(AAM)関数を用いて,大気と固体地球(地殻とマントル)間の角運動量の交換によって主に励起されていることが実証されている.同様にAWに対する大気の寄与が議論されてきたが完全な説明はなされていない.地球自由振動の一つであるCWも,固有周期と減衰の物理的性質はほぼ解明されたが,その励起源は19世紀後半に発見されて以来,謎のままである.この原因の一つに,AAM関数は大気質量再分布効果(気圧の寄与)と風による相対角運動量の効果(風の寄与)の和からなるが,AWとCWに対する風の寄与についてはほとんど議論されていないことが挙げられる. 一方で極運動による地球の重力場の変化には,遠心力ポテンシャルの変化に応答した固体地球の変形の効果も含まれている.そのため,観測された重力変化(重力応答と呼ぶ)は,固体地球の物性を反映する重力ファクターと位相差で表現され,地震波や潮汐の周期帯より長周期での地球の変形応答を理解する上で重要な情報を与えると期待されている.しかし,重力観測値には大気や海洋の季節変動に由来する引力と荷重効果による重力変化も観測されており,極運動に対する地球の動的応答を議論するためには大気や海洋の精密なモデルを使いその影響を分離する必要がある.とりわけ海洋の季節変化による重力変化は十分に研究されていない. そこで,本研究では,十分な理解が得られていない極運動の動的構造を明らかにするために,高精度な測地学データ及び重力データに基づいて,(1)風の寄与に注目した極運動の大気励起の精密評価,及び(2)極運動に対する重力応答の検出と物理的解釈,に関する研究を行った.そして地球システムを構成している固体地球,大気及び海洋における力学現象を統一的に検証することで,極運動の励起と地球の応答という因果関係を議論した. まず(1)では,国際地球回転事業(IERS)で公開されている極運動観測値(EOPC04)を微分して得られる測地励起関数(固体地球の角運動量に相当)とJMA(Japan Meteorological Agency)とNCEP(National Centers for Environmental Prediction)の全球客観解析値から計算した2つのAAM関数を用いた大気-固体地球系の角運動量収支を通して,AWとCWの大気励起を議論した.1988 - 1997年でのAWに関する赤道軸回りの角運動量収支から,JMAとNCEPに基づくAAM関数で異なる風の寄与が見られ,JMAのAAM関数の方が測地励起関数をよく説明するという結果が示された.この原因を明らかにするため,次のような風の寄与の精密評価を行い,重要な知見を得た.まず,風の寄与を計算する時の実際の山岳地形の影響を初めて物理的に評価した結果,対流圏下層の風がAWの励起に重要な役割を持つことが明らかになった.次に風の寄与を東西風と南北風の寄与に分けて示した結果,AWに対する風全体の寄与は同程度の振幅を持ち相殺し合う両者の僅かな差に相当することが明らかになった.更に,実際の山岳地形を考慮した同一の方法で計算されたJMAとNCEPに基づく風の寄与を比較した結果,両者の間に差が見られ,その差は主に対流圏の南北風,特にアジアモンスーン地域での南北風に起因することが示唆された.従って,実際の山岳内部を吹く偽の風の寄与を含まず,アジアモンスーン地域に対して信頼性があると考えられるJMAに基づく風の寄与が自然現象をよく反映していると考えられる.そこでJMAのAAM関数を用いてCWの大気励起の評価を行ったところ,大気変動だけで1983 - 1998年に観測されたCWを励起するのに必要な角運動量を与え得ること,そしてこの大気の寄与は風と気圧の寄与が相補的にバランスしながら時間変化することで維持されていることを発見した.CWの励起に関しては風の寄与が主要な役割を持ち,その風の寄与に関しては対流圏の南北風が重要な役割を持つ.AW同様,対流圏の南北風がCWの励起に大きな影響を与える事が示された.以上の結果から,長年の地球物理学における論点であったCWの励起源が大気変動であることが初めて実証された. 次に,(2)では,江刺(1995.1.2 - 1999.4.20,1580日),キャンベラ (1997.1.28 - 1999.4.7,800日),昭和基地(1993.3.22 - 1997.12..25,1740日)のSGデータから得られた重カ年周変化観測値は,AWに対する弾性応答(重力ファクター1.16,位相差0日),地球潮汐,海洋潮汐,平衡潮極潮汐の他に,海水の熱膨張を補正した海面高(SSH)変動による海洋質量再分布の重力効果を考慮することで,南北中緯度帯に位置する江刺とキャンベラで振幅・位相ともに90%以上が説明され,初めて定量的に解釈された.このことは,重カ年周変化観測値を0.1μGal(10<SUP>-9</SUP>m/s<SUP>2</SUP>)の精度で再現できるという重要な証拠でもある.SSH変動による重力効果は海洋大循環モデル(POCM)のSSHと海水面温度の関係から重力とは独立に得られた温度膨張補正係数を用いて海水の熱膨張成分が補正されているが,重力観測値はこのモデル化が有効であったことを支持し,SGが海洋質量輸送の監視に貢献できることが示された.一方,CWに対する重力応答に関しては,上記の様に重カ年周変化が分離できているため,これまで報告されているような約20日の位相遅れは観測されなかった.今回観測された最大約10日の位相差は,主に海洋質量再分布に伴う重力効果に起因することが示唆されたが,SGデータ及びSSH変動データの解析期間が短く,定量的な証拠を得る事はできなかった.しかし,CW周期においても0.1μGalオーダーの精度で重力変化が観測されているため,今後のデータの蓄積により,CWに対する重力応答の位相差の原因を特定できると期待される. 以上の研究成果により,AWに関しては,励起に関する下層大気の風の寄与の重要性が明らかになった.大気の寄与だけでは説明しきれなかった角運動量収支については,重カ年周変化に大きな影響を与えた海洋質量再分布効果が有力であると期待される.CWに関しては,大気変動により励起される事が実証された.大気角運動量は観測されたCWの励起に必要な角運動量よりも大きく,この余剰成分はElNinoの活動度(CWに対する海洋の寄与の一部)と高い相関があるので,海洋は余剰成分を減衰させる役割を持つと考えられる.換言すれば,CW周期で大気により励起された海洋変動が存在する可能性がある.このような海洋変動が重力変化を伴うならば,CWに対する重力応答の位相差を説明できる可能性がある.今回の結果は,極運動の動的構造が,大気・海洋・固体地球間の力学的相互作用と密接に関係しており,このような研究が地球システム力学の研究に発展していく事を示唆している.また今後,SG観測データの蓄積,及び人工衛星による重力データとの結合により1年よりも長周期で,地球システムの力学現象を質量輸送(質量分布)を通して監視できると期待される. |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa |