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中国杭嘉湖地方における養蚕伝承の研究
https://ir.soken.ac.jp/records/4
https://ir.soken.ac.jp/records/4935d89b9-c336-4e85-8c03-71f9bb43de94
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (300.7 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 中国杭嘉湖地方における養蚕伝承の研究 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
曹, 建南
× 曹, 建南 |
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フリガナ |
ソウ, ケンナン
× ソウ, ケンナン |
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著者 |
CAO, Jian Nan
× CAO, Jian Nan |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(文学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第162号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 文化科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 01 地域文化学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 1996-03-21 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 1995 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 人間の生活様式は、営まれる生業と大きく関わっている。養蚕を生活の重要な手段の一つとしておこなう農民の生活は、一般の水田と畑作農耕民と比べて、生産過程のリズムに起因する大きな相違が見られる。したがって、養蚕農民の生活を調査・研究し、生業経済が文化の核心にいかなる影響を与えるのかを探ることは、民族学もしくは民俗学の一課題として、重要な意味をもつと考える。本研究は、中国浙江省の杭州・嘉興・湖州の養蚕地帯でのフィールド・ワークに基づいて、養蚕にかかわる生産技術、経営体制、儀礼・信仰の諸要素とそれぞれの変容を分析することによって、現代中国農村の一側面を示すと同時に、生業と文化の関係を明らかにすることを目的としている。この目的に沿って、本論文は、この地域における養蚕の歴史的変遷を経とし、生産技術、経営体制、儀礼・信仰の三つの側面を緯として論述する。より具体的には、養蚕農家の技術伝承と経営伝承と儀礼伝承との三部分によって構成される。 第一章では、杭嘉湖の養蚕農民が長年の養蚕の生産活動の中で代々伝わってきた養蚕技術と、それにともなう養蚕道具、および養蚕期の家屋利用について考察している。家屋と養蚕用の道具をふくめた物質的条件と養蚕技術は、農家の経営規模や経営方式を左右する要因となっていた。したがって、この章の考察は、この地方に用いられる蚕の飼育と桑の栽培技術、およびそれに伴う諸道具について記述すると同時に、技術と道具の改良と経営の関係、養蚕農民の技術や道具に対する価値観の究明を試みた。 第二章は、桑畑に対して農民が所有権あるいは経営権をもつかもたないかを基準に、所有権と経営権の両方をもつ時代と、両方とも欠く時代、経営権しかもたない時代との三つに区分して、養蚕農家の経営伝承を考察している。その結果、養蚕の経営権の転換は農民の労働意欲や養蚕にかかわる経済的システムに影響するだけでなく、養蚕農家の家族構成のありかたや村の運営に携わる権力構造の変化をもたらしたことが明白になった。今日の中国で実施されている請負責任制は、農民に養蚕の経営権をもたせ、所有権を付与させないため、農民の経営努力に限度があり、養蚕経営は伝統的な技術と道具を使用して、多労投入型の養蚕経営が続いている。それゆえ、婚出した長女夫婦を同居させて養蚕のための労働力を確保するような家族構成がなされるのである。経営権が養蚕農民の手に移ったことにつれて、村内での共産党幹部の指導力が低下し、他方、村の有力者の権威が相対的に高まってきたのである。 養蚕農家の儀礼伝承をあつかう第三章では、「軋蚕花」と「蚕花戯」を取り上げ、その中に反映された養蚕農民に特有な世界観と村における幹部と長老の権力関係を分析している。「軋蚕花」に対しては、花、密集、乳房という三つの要素の象徴性をそれぞれ分析し、清明節におこなわれるこの養蚕祈願を通して養蚕農民の精神世界を究明しようとした。「蚕花戯」には、村の運営に携わる二つの権力の変化や村人の近隣協力の重要性に対する認識が投影されている。村の有力者は「蚕花戯」の開催を自分たちの非行政的権力を強化し、それを村人に示す機会として、「祭儀-芸能-祭儀」の三つの部分に積極的に参加する。これに対して、全員で一緒に歌ったりして人間関係を和らげようと求める一般の村人は、最後の祭儀、つまり馬鳴王菩薩の歌を歌い、繭の多産を祈願する最後の部分に熱心にくわわった。それは、請負生産責任制の「田蚕工三立」の生活を営むのに、近隣協力がますます重要になってきたことと深く関係している。 養蚕農民の「田蚕工」三本立ての生活は、養文化の存続する基盤である。だが、その民俗文化は変換期を迎えている。養蚕農民の自主経営権の拡大はいままでの養蚕技術・経営体制・儀礼・信仰にいかなる変化をもたらすか、農村工業化の発展にともなって、現在のような「田蚕工」のバランスが変化し、とくに養蚕が衰微した場合、人びとの生活はいかに変化するかは、今後の課題として注目すべきであろう。 |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 |