WEKO3
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反磁性電流は磁力線に垂直方向の圧力に(P\u003cSUB\u003e⊥\u003c/SUB\u003e)に依存し、PS電流は磁力線に垂直,\u003cbr /\u003e平行の両方向の圧力(P\u003cSUB\u003e∥\u003c/SUB\u003eP\u003cSUB\u003e⊥\u003c/SUB\u003e)に依存する。この2種類の電流を独立に計測できれ\u003cbr /\u003eば原理的には圧力非等方度に関する情報を得ることが出来る。環状プラズマの\u003cbr /\u003eポロイダル断面を囲む反磁性ループは反磁性電流に敏感であり、プラズマの上\u003cbr /\u003e下に設けたサドルループはPS電流に敏感である。単純には(サドルループ磁束\u003cbr /\u003e/反磁性ループ磁束)が(P\u003cSUB\u003e∥\u003c/SUB\u003eP\u003cSUB\u003e⊥\u003c/SUB\u003e/P\u003cSUB\u003e⊥\u003c/SUB\u003e)の情報を含むが、圧力非等方度に無関係な\u003cbr /\u003e情報も含んでいる。等方圧力を仮定した平衡コード自由境界VMECとDIAGNOに\u003cbr /\u003eよる解析によれば、反磁性ループ磁束はβ値に対して線形の関係であり、また\u003cbr /\u003e圧力分布に鈍感である。一方、サドルループはβ値に対して非線形の関係であ\u003cbr /\u003eり、また圧力分布に敏感である。この特性の違いは(サドルループ磁束/反磁\u003cbr /\u003e性ループ磁束)の中に圧力非等方度に無関係な情報として取り込まれている。\u003cbr /\u003eこれらの効果を補正し、\"圧力非等方度のみに依存する指標″を抽出する為に、\u003cbr /\u003e実験で計測された電子温度分布,電子密度分布,及び自由境界VMECとDIAGNO\u003cbr /\u003eを用いる手法(FITと組み合わせてはじめて非等方同定法となるのでその記述が\u003cbr /\u003e必要)を提案している。本手法の妥当性を示す為に中性粒子ビーム加熱による高\u003cbr 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/\u003eよる平衡量同定に用いられてきたが、平衡量同定精度向上を目的として、乱れ\u003cbr /\u003eた磁気面を考慮した平衡コードHINTとJDIAを新手法として提案している。新\u003cbr /\u003e旧手法の比較の結果、反磁性ループにおける磁束の差は約5%と小さいがサド\u003cbr /\u003eルループにおける差は約30%と大きな差が示された。サドルループの新旧手\u003cbr /\u003e法による磁束と実験で得られたサドルループ磁束を比較し、新手法に近い結果\u003cbr /\u003eとなり平衡量同定,及び平衡再構築に向けた新手法の妥当性を示した。", "subitem_description_type": "Other"}]}, "item_1_description_18": {"attribute_name": "フォーマット", "attribute_value_mlt": [{"subitem_description": "application/pdf", "subitem_description_type": "Other"}]}, "item_1_description_7": {"attribute_name": "学位記番号", "attribute_value_mlt": [{"subitem_description": "総研大甲第929号", "subitem_description_type": "Other"}]}, "item_1_select_14": {"attribute_name": "所蔵", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "有"}]}, "item_1_select_8": {"attribute_name": "研究科", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "物理科学研究科"}]}, "item_1_select_9": {"attribute_name": "専攻", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "10 核融合科学専攻"}]}, "item_1_text_10": 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磁気計測による3次元配位のMHD平衡量同定
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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||
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 磁気計測による3次元配位のMHD平衡量同定 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
山口, 太樹
× 山口, 太樹 |
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フリガナ |
ヤマグチ, タイキ
× ヤマグチ, タイキ |
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著者 |
YAMAGUCHI, Taiki
× YAMAGUCHI, Taiki |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第929号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 物理科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 10 核融合科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2006-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
2005 | ||||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 核融合を目指して、高温プラズマを磁場で閉じ込める実験では、プラズマ中<br />に流れる電流,蓄積エネルギー,β値(プラズマと磁場の圧力比)といったプ<br />ラズマの磁気流体力学(Magnetohydrodynamics:MHD)上の平衡量を同定する為に<br />磁気計測器が広く用いられている。軸対称磁場を持つトカマク装置においては<br />磁気面形状,トロイダル電流分布,磁気軸位置,最外殻磁気面の位置といった<br />詳細な平衡分布の同定手法が確立しており不安定性研究,輸送研究,平衡制御<br />に活用され、不安定回避や閉じ込め改善に大きな役割を果たしている。対称性<br />の破れた3次元磁場配位を特徴としてヘリカル装置においても、MHD平衡量同定<br />の精度向上と高度化によって各種パラメータの到達値の更新、飛躍的な安定性<br />や輸送研究の進展に繋がる事が容易に想像できる。<br /><br /> 本論文はヘリカル装置において磁気計測器による平衡量同定の高度化を目指<br />した研究についての研究成果を記述している。従来、ヘリカル装置における磁<br />気計測器による平衡同定の研究は<br /> ・等方圧力<br /> ・無電流(またはトロイダル電流分布を仮定)<br /> ・きれいに閉じた入れ子状の磁気面<br />を仮定した手法を用いていた。しかし実験では高エネルギー粒子による非等方<br />圧力,複雑なトロイダル電流分布,高βにおける磁気面の乱れが予想される。<br />本論文ではこれらを考慮することにより、同定する平衡量の高精度化や、従来<br />計測が困難であった平衡量の同定を行う「平衡量同定手法の高度化」の確立を<br />目的としている。具体的には前述の3項目に対応して<br /> ・圧力非等方度の同定<br /> ・大きな正味トロイダル電流がある場合の磁気計測の精度向上<br /> ・有限β効果による磁気面の乱れを考慮した平衡計算を用いた磁気計測の<br /> ・精度向上<br />の3項目について取り組んでいる。<br /><br /> 磁気計測器信号から平衡量を同定する際には3次元MHD平衡解析コードと、<br />その結果から磁気計測器信号を評価する磁気計測器信号解析コードが必要であ<br />る。従来、磁気計測器による平衡同定の研究には3次元MHD平衡解析コード(自<br />由境界VMEC)と磁気計測器信号解析コード(DIAGNO)が用いられてきた。自由境界<br />VMECは等方圧力、及びきれいに閉じた入れ子状の磁気面を仮定しており、DIAGNO<br />は磁気ポテンシャルの構築を通してプラズマ外の磁束を評価するコードで、ト<br />ロイダル電流が磁気計測器に与える影響をフィラメント近似している。本論文<br />中において「圧力非等方度の同定」に関して、自由境界VMECとDIAGNO、中性粒<br />子入射による高エネルギー粒子の速度緩和評価コードFITによる同定手法を提<br />案している。「大きな正味トロイダル電流がある場合の磁気計測の精度向上」、<br />「有限β効果による磁気面の乱れを考慮した平衡計算を用いた磁気計測の精度<br />向上」に関しては本研究において新規開発したJDIAコ一ドと平衡コードを組み<br />合わせた手法を用いている。JDIAは平衡コードによって得られたプラズマ中の<br />電流(Pfirsh-Shuluter(PS)電流,反磁性電流,トロイダル電流)から磁気計測<br />器信号を直接評価するコードである。さらにこのコードと磁気面の存在を仮定<br />しない3次元MHD平衡コードHINTとの組み合わせを行っている。これによって<br />磁気面の乱れを考慮できるとともに、トロイダル電流分布が磁気計測器に与え<br />る影響を精度良く評価できる。このJDIAは将来的に、現在海外の理論研究者と<br />共同開発中の"非等方圧力を取り扱うことのできる固定境界VMEC"との組み合<br />わせも可能なものである。<br /><br />以下に、本論文の骨子となる3項目の平衡量同定の高度化について述べる。<br />1)圧力非等方度の同定<br /> 反磁性電流は磁力線に垂直方向の圧力に(P<SUB>⊥</SUB>)に依存し、PS電流は磁力線に垂直,<br />平行の両方向の圧力(P<SUB>∥</SUB>P<SUB>⊥</SUB>)に依存する。この2種類の電流を独立に計測できれ<br />ば原理的には圧力非等方度に関する情報を得ることが出来る。環状プラズマの<br />ポロイダル断面を囲む反磁性ループは反磁性電流に敏感であり、プラズマの上<br />下に設けたサドルループはPS電流に敏感である。単純には(サドルループ磁束<br />/反磁性ループ磁束)が(P<SUB>∥</SUB>P<SUB>⊥</SUB>/P<SUB>⊥</SUB>)の情報を含むが、圧力非等方度に無関係な<br />情報も含んでいる。等方圧力を仮定した平衡コード自由境界VMECとDIAGNOに<br />よる解析によれば、反磁性ループ磁束はβ値に対して線形の関係であり、また<br />圧力分布に鈍感である。一方、サドルループはβ値に対して非線形の関係であ<br />り、また圧力分布に敏感である。この特性の違いは(サドルループ磁束/反磁<br />性ループ磁束)の中に圧力非等方度に無関係な情報として取り込まれている。<br />これらの効果を補正し、"圧力非等方度のみに依存する指標″を抽出する為に、<br />実験で計測された電子温度分布,電子密度分布,及び自由境界VMECとDIAGNO<br />を用いる手法(FITと組み合わせてはじめて非等方同定法となるのでその記述が<br />必要)を提案している。本手法の妥当性を示す為に中性粒子ビーム加熱による高<br />エネルギー粒子圧力の数値計算コードとの比較検証を行った。また磁気計測よ<br />り抽出した"圧力非等方度のみに依存する指標″から非等方度W<SUB>∥</SUB>W<SUB>⊥</SUB>を同定す<br />る為の較正係数の導出を行った。これにより磁気計測による圧力非等方度の定<br />量評価を可能とした。本手法の平衡研究への適用結果として、圧力非等方度が<br />LHDの磁気軸などの平衡に及ぼす影響について評価することに成功した.<br /><br />2)大きな正味トロイダル電流がある場合の反磁性計測の精度向上<br /> 閉じ込め磁場が回転変換を持つことにより正味のトロイダル成分をもつプラ<br />ズマ電流はポロイダル方向成分を持ち、トロイダル磁束を生成する。大きなト<br />ロイダル電流が発生する実験においては反磁性ループによる蓄積エネルギー,<br />β値計測の精度を高めるためにはこの磁束を正確に評価する必要がある。自由<br />境界VMECとJDIA、及びMSE(MotionaIStark Effect)計測から得られるトロイ<br />ダル電流分布を基に反磁性ループ磁束に含まれるトロイダル電流の寄与を精度<br />良く補正する手法を提案している。本手法の妥当性の検証として高エネルギー<br />粒子圧力,熱化圧力の変化量が小さくトロイダル電流の変化が大きい実験に本<br />手法を適用し、実験で観測された反磁性ループ磁束の振る舞いを再現した。<br /><br />3)乱れた磁気面を考慮した平衡コードを用いた平衡量同定精度向上<br /> 従来、入れ子状の磁気面を仮定した自由境界VMECとDIAGNOが磁気計測器に<br />よる平衡量同定に用いられてきたが、平衡量同定精度向上を目的として、乱れ<br />た磁気面を考慮した平衡コードHINTとJDIAを新手法として提案している。新<br />旧手法の比較の結果、反磁性ループにおける磁束の差は約5%と小さいがサド<br />ルループにおける差は約30%と大きな差が示された。サドルループの新旧手<br />法による磁束と実験で得られたサドルループ磁束を比較し、新手法に近い結果<br />となり平衡量同定,及び平衡再構築に向けた新手法の妥当性を示した。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |