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超音速旅客機や宇宙往還機用の推進機関として、極超音速で飛行可能なエアーブリージングエンジンの開発研究が盛んに進められている。このうちターボジェットをベースにしたエンジンでは高速飛行時に吸入空気が加熱されるという問題が発生する。プリクーラは液体水素などの極低温燃料を冷媒として吸入した高温空気を冷却することによりこの問題を解決する熱交換器であり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では現在までにこのプリクーラを地上燃焼試験に組み込むレベルまでの開発を進めてきた。その中でプリクーラの冷媒配管に付着する霜がエンジン性能に悪影響を及ぼすことが明らかとなっている。一方、熱交換器における着霜の問題は地上用の空調システムに関連した問題として古くから多くの研究が行われてきた。しかしこれらの研究における冷却面温度は水の凝固点近辺(-30℃〜0℃程度)のものがほとんどである。冷媒として液体水素を使用するプリクーラの冷却面温度は極低温となり、常温付近の着霜現象とは大きく異なる。過去の極低温冷却面に対する着霜の研究は、平板についての研究が数例あるのみであり円柱については行なわれていない。また、極低温冷却面に対する着霜現象についても十分に理解されていない。本論文では熱交換器への応用で重要となる冷却円柱周りの流れ場における物質伝達に着目し、実験と数値解析を行い,両結果の比較を議論した。\u003cbr /\u003e 実験的手法を用いた研究では、液体窒素を冷媒とし銅の熱伝導を利用して120~250Kの円柱表面温度を作り出し、銅円柱に巻いたアルミ箔の試験前後における質量差を計測することにより、円柱周りの物質伝達の計測を行っている。本実験においては流れの速度は1m/s、円柱径は20m/s、主流温度23℃、湿度59%の条件で試験を行った。その結果、円柱表面温度を250Kから低下させていくと、まず250〜230Kの温度領域では質量流束は緩やかに上昇する。しかし230K以下の領域では、円柱周囲で水蒸気が凝縮する様子が観察されるようになり、同時に円柱表面への物質伝達は円柱表面温度の低下と共に急速に減少する。表面温度が120Kの場合、表面温度が230K(最大値)の場合と比較し質量流束が約1/6にまで低下することを観測した。この物質伝達の温度依存性は従来の分子拡散に基づいた理論では説明できない。また、長時間(2分間)の通風試験を行うと、円柱表面温度が220Kの円柱表面には霜がほぼ全面に均一に付着するのに対し、円柱表面温度が95Kの円柱には着霜が円柱の上流側に集中する様子も観測された。\u003cbr /\u003e 数値計算による研究では、実験条件と同等の流れ場を数値解析により詳細に調査した。数値解析においては「水蒸気の凝縮」および「凝縮物の円柱への輸送」を考慮し、極低温冷却面への物質伝達を計算した。凝縮物の円柱への輸送に関しては、凝縮生成物である氷の粒子に働く熱泳動力を計算に考慮し,粒子が冷却円柱に引きつけられ付着し質量流束に寄与する様子を再現している。計算手法としては、円柱表面と一様流との間で大きな温度差があるため、流れ場の解析には密度変化を表現することができる圧縮性流体の数値計算スキームを採用した。従来この計算手法は本研究が対象とするような低速の流れ(1 m/s)を解くことができないが、本計算ではこれをEdwardsらの前処理法を用いてあらゆる速度の流れを解析できるよう改良した。さらに円柱周りの流れ場はカルマン渦の発生により非定常的な流れ場となるが、本研究ではこれを疑似時間を用いた時間進行法を用いることで解析している。\u003cbr /\u003e 結果として、計算においても実験と同様に220K以下の温度領域では円柱近傍で水蒸気の凝縮が発生することが確認された。またこの水蒸気の相変化により、壁面近傍の水蒸気が減少し、壁面への質量流束が低下することや、相変化による凝縮潜熱の放出により境界層内の温度勾配に変化をもたらすことなど、凝縮に伴う流れ場の変化が確認された。このような凝縮による流れ場の変化により、円柱表面にもたらされる質量流束の成分として、230K程度までの円柱表面温度については水蒸気の濃度拡散による輸送が支配的であるが、冷却面温度が低下すると水蒸気の凝縮物であるミストの付着が支配的となってくることが明らかになった。さらに実験結果との比較では、本数値解析による実験で得られた物質伝達の温度依存性(円柱表面温度の低下と共に220K付近から質量流束が急激に低下する)を数値解析においても再現した。また、実験において見られた「円柱表面温度の低下と共に着霜が円柱の上流側に集中する」現象についても、数値計算では円柱下流側における物質伝達の低下という形で再現され、この現象が「壁面のミスト密度分布の変化が原因である」ことを明らかにしている。\u003cbr /\u003e その他、凝縮モデルによる物質伝達の差や、従来の分子拡散に基づいた質量流束予測手法の有効性が凝縮により失われることなどが議論されている。凝縮モデルによる物質伝達の差については、古くから凝縮を再現するモデルとして採用されている古典凝縮論に基づくモデルと、近年提案された実験結果をより忠実に再現すると言われるDillmannとMeierによるモデルの2種を採用し、質量流束の計算結果を比較した。その結果、凝縮核の生成率に及ぼす温度の影響があまりにも強いため、凝縮モデルの違いは質量流東計算結果にほとんど影響を及ぼさないことが明らかになった。また、従来の質量流束の経験式では、Re数の関数であるSh数を用いて質量流束を表現しているが、凝縮の発生する220K以下の温度領域についてはこの理論が通用しないことが確認された。", "subitem_description_type": "Other"}]}, "item_1_description_7": {"attribute_name": "学位記番号", "attribute_value_mlt": 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冷却円柱周りの水蒸気の凝縮を伴う流れの物質伝達
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
![]() |
||
![]() |
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 冷却円柱周りの水蒸気の凝縮を伴う流れの物質伝達 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
吹場, 活佳
× 吹場, 活佳 |
|||||
フリガナ |
フキバ, カツヨシ
× フキバ, カツヨシ |
|||||
著者 |
FUKIBA, Katsuyoshi
× FUKIBA, Katsuyoshi |
|||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第934号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 物理科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 11 宇宙科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2006-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
2005 | ||||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 超音速旅客機や宇宙往還機用の推進機関として、極超音速で飛行可能なエアーブリージングエンジンの開発研究が盛んに進められている。このうちターボジェットをベースにしたエンジンでは高速飛行時に吸入空気が加熱されるという問題が発生する。プリクーラは液体水素などの極低温燃料を冷媒として吸入した高温空気を冷却することによりこの問題を解決する熱交換器であり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では現在までにこのプリクーラを地上燃焼試験に組み込むレベルまでの開発を進めてきた。その中でプリクーラの冷媒配管に付着する霜がエンジン性能に悪影響を及ぼすことが明らかとなっている。一方、熱交換器における着霜の問題は地上用の空調システムに関連した問題として古くから多くの研究が行われてきた。しかしこれらの研究における冷却面温度は水の凝固点近辺(-30℃〜0℃程度)のものがほとんどである。冷媒として液体水素を使用するプリクーラの冷却面温度は極低温となり、常温付近の着霜現象とは大きく異なる。過去の極低温冷却面に対する着霜の研究は、平板についての研究が数例あるのみであり円柱については行なわれていない。また、極低温冷却面に対する着霜現象についても十分に理解されていない。本論文では熱交換器への応用で重要となる冷却円柱周りの流れ場における物質伝達に着目し、実験と数値解析を行い,両結果の比較を議論した。<br /> 実験的手法を用いた研究では、液体窒素を冷媒とし銅の熱伝導を利用して120~250Kの円柱表面温度を作り出し、銅円柱に巻いたアルミ箔の試験前後における質量差を計測することにより、円柱周りの物質伝達の計測を行っている。本実験においては流れの速度は1m/s、円柱径は20m/s、主流温度23℃、湿度59%の条件で試験を行った。その結果、円柱表面温度を250Kから低下させていくと、まず250〜230Kの温度領域では質量流束は緩やかに上昇する。しかし230K以下の領域では、円柱周囲で水蒸気が凝縮する様子が観察されるようになり、同時に円柱表面への物質伝達は円柱表面温度の低下と共に急速に減少する。表面温度が120Kの場合、表面温度が230K(最大値)の場合と比較し質量流束が約1/6にまで低下することを観測した。この物質伝達の温度依存性は従来の分子拡散に基づいた理論では説明できない。また、長時間(2分間)の通風試験を行うと、円柱表面温度が220Kの円柱表面には霜がほぼ全面に均一に付着するのに対し、円柱表面温度が95Kの円柱には着霜が円柱の上流側に集中する様子も観測された。<br /> 数値計算による研究では、実験条件と同等の流れ場を数値解析により詳細に調査した。数値解析においては「水蒸気の凝縮」および「凝縮物の円柱への輸送」を考慮し、極低温冷却面への物質伝達を計算した。凝縮物の円柱への輸送に関しては、凝縮生成物である氷の粒子に働く熱泳動力を計算に考慮し,粒子が冷却円柱に引きつけられ付着し質量流束に寄与する様子を再現している。計算手法としては、円柱表面と一様流との間で大きな温度差があるため、流れ場の解析には密度変化を表現することができる圧縮性流体の数値計算スキームを採用した。従来この計算手法は本研究が対象とするような低速の流れ(1 m/s)を解くことができないが、本計算ではこれをEdwardsらの前処理法を用いてあらゆる速度の流れを解析できるよう改良した。さらに円柱周りの流れ場はカルマン渦の発生により非定常的な流れ場となるが、本研究ではこれを疑似時間を用いた時間進行法を用いることで解析している。<br /> 結果として、計算においても実験と同様に220K以下の温度領域では円柱近傍で水蒸気の凝縮が発生することが確認された。またこの水蒸気の相変化により、壁面近傍の水蒸気が減少し、壁面への質量流束が低下することや、相変化による凝縮潜熱の放出により境界層内の温度勾配に変化をもたらすことなど、凝縮に伴う流れ場の変化が確認された。このような凝縮による流れ場の変化により、円柱表面にもたらされる質量流束の成分として、230K程度までの円柱表面温度については水蒸気の濃度拡散による輸送が支配的であるが、冷却面温度が低下すると水蒸気の凝縮物であるミストの付着が支配的となってくることが明らかになった。さらに実験結果との比較では、本数値解析による実験で得られた物質伝達の温度依存性(円柱表面温度の低下と共に220K付近から質量流束が急激に低下する)を数値解析においても再現した。また、実験において見られた「円柱表面温度の低下と共に着霜が円柱の上流側に集中する」現象についても、数値計算では円柱下流側における物質伝達の低下という形で再現され、この現象が「壁面のミスト密度分布の変化が原因である」ことを明らかにしている。<br /> その他、凝縮モデルによる物質伝達の差や、従来の分子拡散に基づいた質量流束予測手法の有効性が凝縮により失われることなどが議論されている。凝縮モデルによる物質伝達の差については、古くから凝縮を再現するモデルとして採用されている古典凝縮論に基づくモデルと、近年提案された実験結果をより忠実に再現すると言われるDillmannとMeierによるモデルの2種を採用し、質量流束の計算結果を比較した。その結果、凝縮核の生成率に及ぼす温度の影響があまりにも強いため、凝縮モデルの違いは質量流東計算結果にほとんど影響を及ぼさないことが明らかになった。また、従来の質量流束の経験式では、Re数の関数であるSh数を用いて質量流束を表現しているが、凝縮の発生する220K以下の温度領域についてはこの理論が通用しないことが確認された。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 |