WEKO3
アイテム
超伝導成形撚線の電磁特性
https://ir.soken.ac.jp/records/579
https://ir.soken.ac.jp/records/5799b6366ed-3ffc-4ab8-bcd3-16504644f642
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (269.6 kB)
|
||
本文 (6.5 MB)
|
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 超伝導成形撚線の電磁特性 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Electro-Magnetic Properties of SuperconductingCompacted Stranded Conductors | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
木村, 昭夫
× 木村, 昭夫 |
|||||
フリガナ |
キムラ, アキオ
× キムラ, アキオ |
|||||
著者 |
KIMURA, Akio
× KIMURA, Akio |
|||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第116号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 数物科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 12 加速器科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 1995-03-23 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 1994 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 超伝導成形撚線(ラザフォードケーブル)とは、超伝導素線(ストランド)を多数本撚り合わせて断面を平角状に成形したケーブルである。ストランドは極細NbTiフィラメントを数千本束ね、撚りを施して(ツイスト)銅の安定化材に金属的接合をもって埋設した構造となっている。平角状に成形したケーブルのストランドは斜めに交差する上下のストランド間で大きく塑性変形し、くびれが生じて接触面積が大きくなっている。超伝導成形撚線は電流密度が高く、適度の剛性を持つため、その超伝導特性を安定に発揮できることから、加速器用超伝導マグネットで使用される。<br /> この超伝導成形撚線を交流磁界中に曝すと交流損失が発生する。この損失はストランド内部交流損失(Intra‐strand AC Loss)すなわち、超伝導フィラメントのヒステリシス損失やフィラメント間の結合電流による交流損失とストランド間交流損失(Inter-strand AC Loss)に大別できる。後者のストランド間交流損失の原因は、交流磁場によって誘導されるストランド間の接触部を通過する結合電流である。このストランド間交流損失(またはストランド問結合損失)は、急速励磁によるマグネットの<br /> (1)クエンチ(SN転移)電流の低下<br /> (2)励磁中の磁場分布の乱れ<br />を起こす原因となり、加速器に超伝導マグネットを使用するうえで重要な問題を引き起こしている。<br /> 本研究では、超伝導成形撚線の交流損失、接触抵抗、表面状態そして機械特性を調べ、以下のことを初めて明らかにした。<br />1.交流損失の大きさを左右する主な要因は、成形撚線を構成するストランド間抵抗の大きさである。ここでいうストランド間抵抗とは、ストランド表面間の接触抵抗だけでなくマトリックスの抵抗も含まれる。<br />2.銅マトリックスのみで構成されるケーブルのストランド間抵抗は、キユアリング(圧力、熱を加えながら成形する)圧力、温度の大小によって決定される。言い換えれば、ストランドのスブリングバック(弾性による反発力)の大きさと接触表面間の接合する力の大きさのバランスでストランド間抵抗が決定される。この抵抗は、マグネットの製法と密接に関係している。<br /> 通常、加速器用の超伝導マグネットは巻線後、成形し、ケーブル間を固走するためにキュアリングを行う。その後一旦圧力を開放し、相当する治具にセットして電磁力支持用金具の取付け(カラーリング)を行う。このキュアリング後に一且圧力を開放する工程があるため、ストランドの接触表面間の接合する力が小さいと、ストランドのスブリングバックによって接合部が剥離する。そのときの表面の状態は、表面が空気中で酸化されるだけでなく、剥離に伴った破片が生じるために再度加圧しても元の状態に戻らない。そして結果的に接触表面積が滅少し、接触抵抗が大きくなる。また、ストランドの接触表面間の接合する力が大きいと、圧力を開放しても接合されたストランドの表面同士は完全に剥難しないため、接触面積の滅少は伴うものの、その面積の滅少はわずかである。そのため、接触抵抗の変化は小さい。<br />3.成形撚線を構成するストランド内部に銅マンガン合金を配置させると、キュアリング後の圧力開放前後でストランド間結合損失の変化が大きく、圧力開放後の結合損失は小さい。(銅マトリックスのみの場合は急増する)。銅マンガン合金マトリックスの電気抵抗が大きい理由だけではこの原因を説明できない。主たる原因は、銅マンガン合金の軟化温度が銅(約200℃)よりも高い約300℃であるため、230℃のキュアリング温度では銅マンガン合金は軟化されず、変形しにくく、その結果ストランド間の接触面積が小さくなる。したがって、接合する力が銅マトリックスの場合より小さくなる。しかし、銅マンガン合金の軟化温度を越えた温度(約300℃)でキュアリングすると、銅マトリックスと同様にストランド間抵抗が小さくなり、ストランド間結合損失は大きくなる。<br /> これらの結果より、加速器用超伝導マグネットに用いるラザフォードケーブルの結合損失の増加を抑さえるためには、<br />(a)ストランドの構成材料である銅の純度と最終加工率を規定し、その軟化温度を制御する。<br />(b)キュアリング温度を銅の軟化温度以下とするか、軟化温度がキュアリング温度よりも高い銅マンガン等をストランド内部に配置させる。<br />(c)ストランド表面に拡散接合を起こさない物質をコーティングする。<br />ことが提言できる。<br /> 以上本研究では、加速器用超伝導マグネットに用いるラザフォードケープルの交流損失、特にストランド間の結合損失について電磁気的、機械的な特性を系統的に研究して、その結合損失の大きさを決めるメカニズムを明らかにした。この結果により、加速器用超伝導マグネットの開発研究に新しく、重要な知見を深めることができた。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |