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アイテム
固定化DNAを用いた転写複合体の動的反応機構
https://ir.soken.ac.jp/records/892
https://ir.soken.ac.jp/records/892c9a15e31-6a09-42d6-973f-68931e1e0529
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (282.6 kB)
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本文 (2.4 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 固定化DNAを用いた転写複合体の動的反応機構 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Kinetic analysis of transcription process by using immobilized DNA | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
久堀, 智子
× 久堀, 智子 |
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フリガナ |
クボリ, トモコ
× クボリ, トモコ |
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著者 |
KUBORI, Tomoko
× KUBORI, Tomoko |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第86号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 生命科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 18 遺伝学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 1994-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 1993 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 転写伸長反応は直列に並んだ単純な反応の繰り返しではない。転写初期にはRNA伸<br />長反応を継続する以外に、合成した短鎖RNAの解離(abortive synthesis)等の経路を取り<br />得る。Abortive synthsisではRNAポリメラーゼはDNAから解離することなく、およそ<br />9ntに至る短鎖RNAを合成しては放出し、再び転写開始点にもどることを多数回繰り<br />返す(abortive cycling)。従来のモデルでは、RNAポリメラーゼはabortive cyclingを経た<br />後、RNAの解離に抵抗性のある"伸長"モードに移行すると仮定されてきた。しかし、<br />abortive synthesisを含め、転写初期反応の機構の動的解析による検討は殆どなされてい<br />なかった。そこで、RNAポリメラーゼがprocessivityを獲得する機構を解明するため、<br />転写初期におこる現象を動的に解析した。<br /> 大腸菌RNAポリメラーゼとλP<small>R</small>プロモーターを有する固定化DNAを用いた<i>in vitro</i><br />転写系で一連の解析を行った。固定化DNAを用いることにより、転写複合体から解離<br />する転写産物やRNAポリメラーゼを簡便に分離することができる。RNA合成の時間経<br />過を解析した結果、9ntに代表される短鎖RNAの大部分は転写複合体から解離してお<br />り、その合成量は長鎖RNAの合成量が飽和した後も増加を続けた。反応時間を通じて、<br />長鎖RNAの大部分は転写複合体に結合していた。<br /> このことから、RNAポリメラーゼがabortive cycleを経てから長鎖RNAを合成する、<br />という従来提唱されてきた順次的な反応経路を示すモデルが、成り立たないことが明ら<br />かとなり、分岐した反応経路が示唆された。つまり、長鎖RNAを合成する転写複合体<br />とは別の、abortive synthesisを担う新たな転写複合体の存在が示唆された。<br /> 新たな転写複合体がRNAを解離し易い特性を有していることを利用して、この複合<br />体を直接検出することを試みた。固定化DNAとRNAポリメラーゼの複合体を微小カ<br />ラムに詰め、反応基質であるヌクレオチドをパルス的に注入することによりカラム中で<br />一定時間の転写反応を行った。反応後、転写バッファーとともに解離したRNAが認め<br />られたことから、目的の複合体が直接検出された。この不安定な転写複合体は、長鎖<br />RNAを合成する複合体が転写反応の過程で変換して生成したものであることが示唆さ<br />れた。また、転写反応後に非放射性のヌクレオチドを注入し、RNAが伸長するかどう<br />かを調べることにより、この複合体は、基質存在下でもRNAを伸長しないdead-end<br /> complexに変換することが示された。このように溶出パターンを解析することにより、<br />変換しうる様々な転写複合体が検出できる実験系を確立した。同定した新たな複合体を、<br />その特性から"瀕死の"という意味のmoribund complexと名付けた。<br /> 転写初期の反応機構を解明するためにとったもうひとつのアプローチは、転写開始<br />直後のRNAポリメラーゼの進行を物理的に阻害することである。大腸菌RNAポリメ<br />ラーゼとλP<small>R</small>プロモーターを用いた同様の転写系において、特定のヌクレオチドを反応<br />系から除くことにより、転写開始点を基準に+32の位置で反応が停止する鋳型DNAを<br />作製した。DNAに対し過剰のRNAポリメラーゼを反応させると、1つのオペロンに複<br />数のRNAポリメラーゼ分子が作用しタンデムな転写が起こることが、RNAの解析と<br />footprintingにより示された。先行するRNAポリメラーゼの反応を+32で止めると、後<br />続のポリメラーゼは進行を阻止され+5の位置でmisincorporationを起こすことが判明し<br />た。MisincorporateされたRNAは、伸長することができず6ntの鎖長で転写複合体から<br />解離した。<br /> また、タンデムな転写によりabortive synthsisが促進された。6ntより短いRNAは、<br />先行のポリメラーゼの停止によりさらに解離が促進されることもわかった。<br />MisincorporateされたRNAとabortive transcriptsは転写複合体からの解離という点で挙動<br />をともにすることから、同一の転写複合体により合成された可能性が高いと考えられる。<br />これらの結果は、RNAポリメラーゼが転写の初期に物理的に進行を阻止されたため<br />abortive cycleを回り続けるモードに保持されたことを示唆する。おそらく物理的障害が<br />上述のmoribund complexへの変換を促進すると考察した。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |