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  1. 020 学位論文
  2. 生命科学研究科
  3. 18 遺伝学専攻

ヒドラのエピボリーにおける上皮組織の超微細構造

https://ir.soken.ac.jp/records/907
https://ir.soken.ac.jp/records/907
54d7bcfe-902c-4f48-9c49-695758bfcfbd
名前 / ファイル ライセンス アクション
甲205_要旨.pdf 要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (333.7 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2010-02-22
タイトル
タイトル ヒドラのエピボリーにおける上皮組織の超微細構造
タイトル
タイトル Ultrastructural examination of epithetial tissue in hydra epiboly
言語 en
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec
資源タイプ thesis
著者名 村手, 源英

× 村手, 源英

村手, 源英

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フリガナ ムラテ, モトヒデ

× ムラテ, モトヒデ

ムラテ, モトヒデ

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著者 MURATE, Motohide

× MURATE, Motohide

en MURATE, Motohide

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学位授与機関
学位授与機関名 総合研究大学院大学
学位名
学位名 博士(理学)
学位記番号
内容記述タイプ Other
内容記述 総研大甲第205号
研究科
値 生命科学研究科
専攻
値 18 遺伝学専攻
学位授与年月日
学位授与年月日 1996-03-21
学位授与年度
値 1995
要旨
内容記述タイプ Other
内容記述 淡水産の腔腸運動チクビヒドラは、単純な体制を持つ。その体は、筒状の体幹部とその上端の頭部、下端の足部からなる。体幹部は、細胞外基質に相当するメソグリア(中膠)層をはさんで、自由空間に面して1層に並ぶ外胚葉上皮層と、腔腸に面して1層に並ぶ内胚葉上皮層からなる2層性上皮構造からなる。<br /> また、ヒドラは、強い再生力を持つ。頭部や足部を除去しても、数日以内に元と変わらない頭部や足部が再生される。この再生過程は、3つの段階に区分される。最初は、傷口の修復とそれに伴う2層性上皮構造の回復である。2番目は、パターン形成過程であり、3番目は、形態形成過程である。<br /> 私は、再生の第1段階としての傷口の修復、特にいったん連続性を消失した2層性上皮構造の再形成過程に注目した。上皮構造の形成と維持は、後生動物全般にわたって発生の基本となる重要な過程である。にもかかわらず、これまでになされたヒドラ再生の研究において、上皮構造がどう変化するかという視点が欠失していた。その一方で、再生においては、外胚葉上皮層を構成する外胚葉上皮細胞と内胚葉上皮層を構成する内胚葉上皮細胞が、第1義的に重要であることがわかっている。しかし、再生の過程でそれぞれの上皮細胞がどういう役割をはたすのか、また、お互いにどういう相互作用をするのかについては明らかではない。その理由の1つは、これら2種類の上皮細胞を区別する、特異的でかつ有用な分子マーカーが少ないことによる。そこで私は、形態学的手法を用いて、これらの問題を明らかにしたいと考えた。上記の目的を果たすため、実験系としてヒドラのエピボリーの系(岸本、1995)を用いた。ヒドラの体幹部組織を麻酔薬プロカインで処理すると、外胚葉組織を6-8個の断片に切り分け、そのうちの1個を分離内胚葉組織の上に置くと、両者はすみやかに強固に接着し、外胚葉組織片は、その下縁から薄くなって内胚葉を覆い始めた。やがて外胚葉は内胚葉を完全に包み込み、球形の構造体を形成した。この構造体は、2-3日後に完全なヒドラに再生した。この方法は、あらかじめ外胚葉上皮層と内胚葉上皮層が明確に分離されているため、両胚葉上皮細胞のそれぞれの役割と、それらの間に働く相互作用を明らかにする最もよい実験系であると考えられる。そこで私は、プロカインによる両胚葉の分離、接触から、外胚葉が内胚葉を完全に包み込むまでの過程(エピボリー)の間に起こる、細胞の形態的変化を光学顕微鏡、走査型及び透過型電子顕微鏡を用いて観察した。<br /> その結果、外胚葉は、エピボリーの全過程を通して単層上皮構造を保っていると考えられた。それは、次のような観察に基づく。外胚葉上皮細胞の表面は粘膜で覆われ、細胞質の表層部には粘液顆粒が集積していた。隣り合う外胚葉上皮細胞同士は、基底側に筋フィラメントの集積が見られた。これらの特徴は、本来のヒドラの外胚葉上皮細胞のそれと基本的に一致する。<br /> 一方、内胚葉は、いったん単層上皮構造を壊して乱雑な細胞塊を形成し、その後、新たに上皮構造を作り直した。外胚葉からの分離直後の内胚葉上皮細胞は、上端面から腔腸に向けて繊毛や微絨毛を伸ばしていた。隣り合う内胚葉上皮細胞同士は、上端面近くで中隔結合を作って接着した。細胞内にきわめて大きな空胞を持ち、基底側では筋フィラメントの集積が見られた。しかし、外胚葉との接触後数時間で、内胚葉は上皮構造を壊して乱雑な細胞塊となり、細胞基底側にあったメソグリアをその中に取り込む。内胚葉塊を構成する上皮細胞は、繊毛や微絨毛を消失し、細胞内の空胞や筋フィラメントも消失し、周囲の細胞と乱雑に接着した。腺細胞も上皮細胞と同様に、繊毛や微絨毛を消失し、周囲の細胞と乱雑に接着した。その後、内胚葉は、外胚葉に接したごく一部の細胞だけが単層の細胞層を形成した。この細胞層を構成する内胚葉上皮細胞は、上端面から繊毛や微絨毛を伸ばさず乱雑な細胞塊に接しているものの、円柱状の構造となり、隣り合う細胞同士側面で接着した。細胞内に小さい空胞を持ち始め、外胚葉との接触面(基底面)に筋フィラメントを集積させた。更にその後、外胚葉との接触面に面した一部の内胚葉は、それと反対側に形成された空胞に面した上端面から繊毛や微絨毛を伸ばし、本来のヒドラの内胚葉とほぼ同じ単層円柱上皮構造を形成した。<br /> 本研究において初めて、2層性上皮構造の再形成過程における外胚葉と内胚葉の上皮構造の安定性の違いが明らかになった。外胚葉は、上皮構造を常に維持、安定させておくことができるが、内胚葉の上皮構造はきわめて不安定であった。この内胚葉上皮構造の不安定さが、ヒドラの再生力の強さと深く関わっていると考えられる。また、内胚葉の上皮構造の再構築は、外胚葉に接していた内胚葉上皮細胞でのみ始まったことから、外胚葉が、内胚葉の上皮構造の維持のみならず、再構築に重要な役割を担っていると示唆された。これまで、外胚葉上皮細胞と内胚葉上皮細胞の間に働く相互作用については全く知られていなかったが、今回初めて形態学的な見地から解析することができた。
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値 有
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Ver.1 2023-06-20 14:42:48.892621
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