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アイテム
ショウジョウバエの転写因子FTZ-F1の転写制御機構の解析
https://ir.soken.ac.jp/records/913
https://ir.soken.ac.jp/records/913a021f867-7e39-4308-8380-d08b76d916f6
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (283.5 kB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | ショウジョウバエの転写因子FTZ-F1の転写制御機構の解析 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
影山, 裕二
× 影山, 裕二 |
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フリガナ |
カゲヤマ, ユウジ
× カゲヤマ, ユウジ |
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著者 |
KAGEYAMA, Yuji
× KAGEYAMA, Yuji |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第211号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 生命科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 18 遺伝学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 1996-03-21 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 1995 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 多くの昆虫において、脱皮および変態の引き金となるのは、ステロイドホルモンであるエクジステロイドの生体濃度の一過的な上昇である。キイロショウジョウバエDrosophila melanogasterでは、20-ヒドロキシエクジソン(20HE)が主要な脱皮ホルモンとして同定されている。また、転写の活性化の指標となる唾線染色体上のパフの消長の観察や、パフ上に存在する遺伝子の発現パターンの解析から、20HEによる遺伝子誘導の機構について以下のようなモデルが提唱されている。すなわち、20HE-受容体複合体は、early puffsと呼ばれるパフ上の遺伝子(early genes)を活性化し、early genesの遺伝子産物はlate puffsと呼ばれる別のパフ上にある遺伝子(late genes)を活性化する。一方、mid-prepupal puffsと呼ばれるパフはこれらearly puffsおよびmid-prepupal puffsより遅れて形成され、20HEの濃度が上昇した後、下降してからはじめて誘導される。したがってmid-prepupal puffs上の遺伝子(mid-prepupal genes)の制御機構についてはより複雑な制御機構の存在が予想されるが、その詳細は明らかにされていない。<br /> FTZ-F1は、核内ホルモンレセプタースーパーファミリーの一員であり、唯一クローン化が行われているmid-prepupal genesである。FTZ-F1遺伝子の遺伝子座である75CDに形成されるパフの観察から、FTZ-F1遺伝子は20HEの生体濃度が上昇した後、下降したときにはじめて発現すると予想されていた。実際に、FTZ-F1遺伝子が脱皮、変態時において、20HEのピークの直後に発現すること、およびカイコにおけるFTZ-F1遺伝子のカウンターパートであるBmFTZ-F1遺伝子が20HEの一過的な上昇により誘導されることが示されている。<br /> FTZ-F1遺伝子の時期特異的転写制御機構を明らかにするため、様々な長さのFTZ-F1遺伝子の5’末端領域と、レポーター遺伝子(大腸菌lacZ遺伝子)との融合遺伝子を導入したキイロショウジョウバエの系統を作製し、抗β-ガラクトシダーゼ抗体を用いたウェスタンブロット法により、融合遺伝子の発現を定量的に解析した。その結果、1.6kgのFTZ-F1遺伝子5’末端領域を含む融合遺伝子が、FTZ-F1遺伝子と同様の時期特異的発現パターンを示したことから、この1.6kgの領域がFTZ-F1遺伝子の時期特異的発現に関わると考えられた。この領域に塩基配列特異的に結合する因子を検索するため、1.6kg領域内の制限酵素断片をプローブとし、後期胚および前蛹から調製した核抽出液を用いたelectrophoresis mobility shift assay (EMSA)をおこなった。その結果、18個の時期特異的に検出される因子と、13個の時期を問わず常に検出される因子を検出することが出来た。時期特異的に検出される因子のうち、I-4,II-4,II-7と名付けた因子は胚発生後期および前蛹期の両方の時期に検出され、FTZ-F1遺伝子の制御因子の有力な候補であると考えられた。メチル化干渉法による解析の結果、I-4およびII-7は核内ホルモンレセプターの認識配列に結合することが明らかとなった。II-4およびII-7は結合部位周辺の配列が似ているだけでなく、EMSAにおける移動度や時期的な検出パターンもよく一致しており、II-4およびII-7が同一の因子である可能性が考えられたので、この可能性を検討するため、II-4、II-7の結合部位(それぞれsiteIIa、siteIIc)の合成オリゴヌクレオチドを用いた競合阻害実験を行った。siteIIaをプローブに用いたEMSAにsiteIIcの非標識合成オリゴヌクレオチドを加えると、加えた量に応じてII-4の結合が阻害された。これらの結果から、II-4およびII-7は同一の因子であると考えられた。3齢幼虫後期および前蛹から経時的に調製した核抽出液を用いてEMSAを行い、I-4およびII-4/II-7の検出される時期を詳細に調べたところ、I-4は20HEの生体濃度のピークに呼応して検出されはじめ、FTZ-F1遺伝子の発現する時期には消失していた。一方、II-4/II-7もI-4とほぼ同時期に検出され始めるが、I-4とは異なりFTZ-F1遺伝子が発現している時期にも検出された。これらの結果から、I-4がFTZ-F1遺伝子の早すぎる発現を抑制し、II-4/II-7がFTZ-F1遺伝子を活性化している可能性が考えられる。 | |||||
所蔵 | ||||||
値 | 有 |