Item type |
学位論文 / Thesis or Dissertation(1) |
公開日 |
2010-02-22 |
タイトル |
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タイトル |
ショウジョウバエGAGA因子-p93-p130複合体の構造・機能解析 |
言語 |
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言語 |
jpn |
資源タイプ |
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資源タイプ識別子 |
http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec |
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資源タイプ |
thesis |
著者名 |
中山, 貴博
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フリガナ |
ナカヤマ, タカヒロ
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著者 |
NAKAYAMA, Takahiro
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学位授与機関 |
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学位授与機関名 |
総合研究大学院大学 |
学位名 |
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学位名 |
博士(理学) |
学位記番号 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
総研大甲第602号 |
研究科 |
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値 |
生命科学研究科 |
専攻 |
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値 |
18 遺伝学専攻 |
学位授与年月日 |
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学位授与年月日 |
2002-03-22 |
学位授与年度 |
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2001 |
要旨 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
GAGA因子はTrithorax-like(Trl)遺伝子によってコードされ、ホメオティック遺伝子の適切な発現に必要である。TrlのハイポモルフであるTrl13C変異は、white遺伝子の転座によるposition effect variegation(PEV)を増強することが示されている。そして、ショウジョウバエのhsp26遺伝子のプロモーター領域とLacZ遺伝子を融合させたコンストラクトをもつトランスジェニックフライの解析により、(GA)nリピート配列を欠くと、DNaseI hypersensivityが失われ、さらにLacZ遺伝子の発現誘導も損なわれることから、プロモーター領域ではGAGA因子によって、ヌクレオソームがない状態を形成していることが示唆されている。このように、GAGA因子はクロマチンの高次構造の変換や機能に関与していることが示唆されてきた。<br /> fushi tarazu(ftz)のプロモーター領域を含むプラスミド上にin vitroでクロマチンを再構成させ、GAGA因子およびクロマチンリモデリング因子NURFを含むショウジョウバエ初期胚抽出液、ATPを加えると、GAGA因子依存的に転写が活性化される。そして、この反応系に、NURFの触媒サブユニットであるISWIに対する抗体を同時に反応させると、ftz転写制御領域でクロマチンのリモデリングおよび転写の活性化が起こらない。しかし、NURFとGAGA因子間に直接の相互作用はみられなかったことから、GAGAとISWIの間を仲介するファクターが存在することが予想された。その可能性を調べるために、Flagタグの付いたGAGA因子を発現するトランスジェニックフライを作成し、その初期胚核抽出液からFlag抗体ビーズを用いてFlag-GAGAを精製したところ、GAGA因子と複合体を形成している二つのタンパク質p93,p130が同定された。ペプチドシークエンスの結果、p93はdSSRP1(Drosophila structure-specific recognition protein 1)、p130はdSPT16(Drosophila counterpart of yeast SPT16)であることが判明している。さらに、p93-p130複合体がヌクレオソームに直接結合し、GAGA因子に依存したクロマチンのリモデリングを促進することを見出した。また、p130をコードする遺伝子の欠損変異体では、Ubx変異が示すhaltereの表現型を増強すること、さらにこの表現型に関してp130はTrlと遺伝学的相互作用があることが示唆されている。しかし、単離されたGAGA因子-p93-p130複合体内で各タンパク質がどのように相互作用しているのか、さらに、GAGA因子-p93-p130複合体は、生体内でどのように役割を果たしているかということについては、明らかになっていない。<br /> そこで本研究では、まず最初に、GAGA、p93、pP130の3分子間の相互作用を明らかにするために、GSTプルダウンアッセイを行った。その結果、GAGA因子はp93と直接結合することが明らかになった。また、GAGA因子がp93と結合するのに十分な領域はGAGA因子のzinc fingerからそのすぐC末端側に至る領域であった。p93がGAGA因子あるいはp130と結合するのに十分な領域はそれぞれp93のアミノ酸配列の296から623、405から623に至る領域であった。さらに、p130がp93に結合する領域はp130のアミノ酸配列のC末端側の579から1037の領域であれば十分であることが明らかになった。<br /> 次に、実際に転写が行われている間期のゲノム上で、これら3つのタンパク質から成る複合体がどのように分布するのか調べるために、ポリテンク口モゾーム上でのGAGA因子、p93、p130の分布を抗体染色によって調べた。その結果、GAGA因子の結合部位の大半がp93、p130と一致することを見出した。次にGAGA因子-p93-p130複合体の動態を明らかにするため、3齢幼虫に熱ショック処理(37℃、30分間)を施したポリテンク口モゾーム上でのGAGA、p93、p130の分布を同様に抗体染色により調べた。その結果、転写が盛んに行われている熱ショックパフ上でGAGA因子とp93、p130が共局在していることを明らかにした。<br /> 最後に、GAGA因子、p93、p130複合体は、生体内でどのような役割を果たしているかついて調べるために、position effect variegation(PEV)の解析を行った。その結果、Trl13Cだけでなく、p93とp130の欠損変異体(_p93/+または_p130/+)においてもPEVがエンハンスされていることが観察された。さらに、Trl13Cとp130の二重欠損変異体(Trl13C,_p130/+)では、Trl13C/+よりPEVがエンハンスされていることが観察された.<br /> 以上、3項目による解析により、GAGA因子-p93-p130がクロマチンに作用し、転写の活性化を維持し続けるというエピジェネティックな働きが明らかとなった。 |
所蔵 |
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値 |
有 |
フォーマット |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
application/pdf |