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  1. 020 学位論文
  2. 生命科学研究科
  3. 19 基礎生物学専攻

新奇小胞体由来オルガネラ“ERボディ”の機能解析

https://ir.soken.ac.jp/records/1446
https://ir.soken.ac.jp/records/1446
26979268-1d2a-4734-a2bf-163683253b4a
名前 / ファイル ライセンス アクション
甲1252_要旨.pdf 要旨・審査要旨 (279.6 kB)
Item type 学位論文 / Thesis or Dissertation(1)
公開日 2010-03-24
タイトル
タイトル 新奇小胞体由来オルガネラ“ERボディ”の機能解析
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec
資源タイプ thesis
著者名 小笠原, 希実

× 小笠原, 希実

小笠原, 希実

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フリガナ オガサワラ, キミ

× オガサワラ, キミ

オガサワラ, キミ

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著者 OGASAWARA, Kimi

× OGASAWARA, Kimi

en OGASAWARA, Kimi

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学位授与機関
学位授与機関名 総合研究大学院大学
学位名
学位名 博士(理学)
学位記番号
内容記述タイプ Other
内容記述 総研大甲第1252号
研究科
値 生命科学研究科
専攻
値 19 基礎生物学専攻
学位授与年月日
学位授与年月日 2009-03-24
学位授与年度
値 2008
要旨
内容記述タイプ Other
内容記述 小胞体由来の新奇オルガネラであるERボディは、シロイヌナズナをはじめとするアブラ<br />ナ科植物に存在する。ERボディは、アブラナ科植物の幼植物体全身の表皮に恒常的に存在<br />するが、成熟葉には存在しない。アブラナ科植物の幼植物体全身の表皮に恒常的に存在す<br />るERボディを恒常型ERボディと名付けた。恒常型ERボディを欠く突然変異体<i>nail</i>変異<br />株の解析から、恒常型ERボディに含まれる主な構成成分はPYK10と呼ばれるβグルコシダ<br />ーゼであることがわかっている。一方で、恒常型ERボディが存在しない成熟葉に傷害を<br />与えると、傷口の周りにERボディが誘導される。この傷害により誘導されるERボディを<br />誘導型ERボディと名付けた。<br /> 恒常型ERボディは、生体防御に関与する例が多く知られているβグルコシダーゼである<br />PYK10タンパク質を内部に蓄積することに加え、誘導型ERボディは傷害、食害、ジャスモ<br />ン酸メチル処理によって誘導されることから、ERボディの植物体内における機能は生体防<br />御に関与すると考えられる。本研究では、傷害誘導と菌感染の二つを用いて、総合的なER<br />ボディの機能を明らかにすることを目的とした。<br /> 第1章では傷害誘導を用いた誘導型ERボディの解析を行った。まず、ERボディの数に<br />着目し、誘導型ERボディが多く誘導される条件を検討した。その結果、小胞体をGFPで可<br />視化した野生株(GFPh植物体)の発芽9日目の子葉組織を用いると、傷害後66時間でER<br />ボディの数が明確に増加することを見いだした。GFPh植物体の子葉の片方にのみ傷害を与<br />えたところ、傷害を与えた子葉(locally-wounded cotyledon)のERボディの数が4倍以上<br />に増加するとともに、傷害を与えていない子葉(systemically-wounded cotyledon)のER<br />ボディの数も5倍以上に増加した。GFPh植物体の子葉に傷害を与えた66時間後に定量PCR<br />を行った結果、恒常型ERボディの主な内容物であるPYK10の発現量は変わらず、そのホモ<br />ログであるBGLU18の発現が誘導されることが判明した。これらの結果より、恒常型と誘導<br />型ERボディの内容物は異なることが明らかとなり、それぞれのERボディが異なった機能<br />を果たしていることが示唆された。<br /> 第2章では<i>Pseudomonas syringae</i> pv. tomato(Pst) DC3000(avrRpm1)接種によって誘<br />導されるシロイヌナズナの過敏感反応系および罹病性病原菌PstDC3000(vector)を用いて、<br />植物の防御機構とERボディ内容物PYK10タンパク質の関わりを検討した。本研究では、子<br />葉の次に発生する2枚のロゼット業をNo.1, 2とし、以降の葉は発生の順に番号(leaf<br />number、以後leaf No. とする)をつけ、それぞれの葉における防御応答を詳しく調べた。<br />植物では本葉、特にNo.7以降の葉での防御機構はよく調べられているが、それ以前の葉<br />(No. 1-6)の防御機構は調べられていない。Leaf No. ごとに抵抗性が異なっているのでは<br />ないかと考えた。<br /> そこで本研究では、過敏感反応を起こさない<i>Pst DC3000(vector) </i>および過敏感反応を起<br />こす<i>Pst DC3000(avrRpml</i>)接種によって誘導されるシロイヌナズナの防御応答を調べ、ER<br />ボディが存在するGFPh植物体と存在しない<i>nail</i>変異株を比較することで、ERボディおよ<br />びPYK10と植物の生体防御機構の関連を明らかにすることを目的とした。ERボディおよび<br />PYK10が蓄積しない<i>nail、pyk10</i>変異体に<i>Pst</i>DC3000(<i>avrRpm1</i>)を接種した。接種後3日目<br />の菌数を測定した結果、GFPh植物体と比較して<i>nail</i>変異体では菌数が顕著に増加してい<br />た。<i>Pst DC3000(avrRpm1</i>)は接種によって過敏感反応を引き起こすので、この生菌数の差と<br />細胞死の関連を、細胞死の指標となるイオン漏洩伝導率の経時変化および感染12時間後の<br />トリパンブルー染色を行い調べた。<i>Pst</i>DC3000(<i>avrRpm1</i>)接種後のGFPh植物体と<i>nail</i>変異<br />株では、すべてのleaf No.においてイオン漏洩伝導率およびトリパンブルー染色に差がみ<br />られなかった。これらの結果よりPYK10は過敏感細胞死に直接関係ないことが明らかにな<br />った。<br /> また、<i>Pst</i>DC3000(<i>avrRpm1</i>)接種後の第7葉をもちいて、ERボディの内容物であるPYK10<br />の発現を定量PCRを用いて調べたところ、未接種と比較して約80倍に発現が上昇していた。 <br />以上の結果からPYK10が細胞死に非依存的な抵抗性に関与していることが示唆された。<br /> 本研究では、傷害誘導および菌感染の手法を用いた解析より、ERボディは植物の生体防<br />御に深く関わっていることが示唆された。
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値 有
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Ver.1 2023-06-20 16:04:19.632526
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