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アイテム
Study on Soil-Screw Interaction of Exploration Robot for Surface and Subsurface Locomotion in Soft Terrain
https://ir.soken.ac.jp/records/2467
https://ir.soken.ac.jp/records/2467cb3ee430-9950-4120-adea-89acaf2a0e95
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 (404.4 kB)
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本文 (6.1 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2011-12-26 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Study on Soil-Screw Interaction of Exploration Robot for Surface and Subsurface Locomotion in Soft Terrain | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | Study on Soil-Screw Interaction of Exploration Robot for Surface and Subsurface Locomotion in Soft Terrain | |||||
言語 | en | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
永岡, 健司
× 永岡, 健司 |
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フリガナ |
ナガオカ , ケンジ
× ナガオカ , ケンジ |
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著者 |
NAGAOKA, Kenji
× NAGAOKA, Kenji |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(工学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第1413号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 物理科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 11 宇宙科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2011-03-24 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 2010 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 螺旋スクリュ構造は,形状の優美さのみならず工学的にも興味深く,搬送装置や掘削機械,走行車両など応用例は多岐に渡る.このような螺旋スクリュ構造の特徴として,構造的簡素さに加えて,中心の回転軸に傾斜して巻き付けられた螺旋翼によって回転軸方向への推進力を接触物との間に発揮可能な点にある.そのため,軟弱地盤環境において表面走行および地中掘削の双方が実現可能な興味深い構造を有しており,かねてより注目されてきた.一方で,軟弱地盤での走行および掘進に螺旋スクリュ機構を適用する際の理論的な相互力学体系に関する学術的な議論はこれまでは積極的には行われておらず,設計最適化や駆動制御の立場から理論モデルの構築が主要命題となっている. そこで,本研究では表面および内部移動探査ロボットシステムへの螺旋スクリュ機構の適用を念頭に,軟弱地盤との相互力学モデルを新たに構築することを目的とする.またその際,軟弱地盤での移動状態を表面走行と地中掘進とを想定し,それぞれの動作に対して統一的概念を提案することにより,汎用スクリュ機構に適用可能な相互力学モデルを新たに構築する. 本論文の内容をまとめると次のようになる. 第一章では,本研究に関する背景,および螺旋スクリュ機構における理論研究の必要性を示し,本研究の目的を記述した.次いで,本研究でのアプローチ方法として,表面走行と地中掘進での実験的・理論的解析を相互に検討する方針を明示すると共に,本研究の位置づけを併せて記述した. 第二章では,螺旋スクリュ機構を用いた表面走行系と地中掘進系に対して,それぞれ関連研究の変遷や動向を概説し,課題である理論研究の希少さおよび必要性を改めて明確に示した.さらに本章では,詳細議論に先立ち,基本的な螺旋スクリュ機構として円筒螺旋と円錐螺旋に関する幾何学および運動学的スリップ状態を数学的に定義した. 第三章では,螺旋スクリュ機構による表面移動に関して,定常動作における軟弱地盤との相互力学モデルの構築を行った.本章では,はじめに軟弱地盤走行に特化した新たな表面移動探査ロボットシステムを提案した.次いで,軟弱地盤との力学的相互作用のモデル化を行った.本研究での提案モデルでは,螺旋スクリュ機構,螺旋翼間の砂,周辺砂の三つを独立な運動系と定義し,既存移動機構の力学モデルでは一方のみが作用すると仮定されていた螺旋スクリュ機構の「表面摩擦」と砂間での「剪断特性」の双方を有機的に融合したモデルを新たに構築した.特に,微小螺旋巻付き角での螺旋翼間の砂挙動を運動方程式で記述し,運動拘束として常に螺旋翼面との接触を保持しながら翼面上を動くと仮定することで,各相互作用力を導出した.ただし,モデル化において砂の搬送係数を新たに未知パラメータとして導入した.提案モデルの数値シミュレーション結果として,螺旋スクリュ機構のスリップ状態に対する牽引力特性は過去の実験結果の傾向に一致しており,提案モデルが定性的に牽引特性を模擬できている点を確認した.また,代表的な車輪移動機構が課題とする軟弱地盤での過度な沈下状態での剛車輪と螺旋スクリュ機構との生成牽引力のシミュレーション比較により,提案機構が軟弱地盤走行において有望であることを明らかにした. 第四章では,第三章で構築した螺旋スクリュ機構による表面移動モデルに対する実験結果との比較解析を行った.本研究では,単一の螺旋スクリュ機構を用いた砂地走行試験により,荷重・回転速度・スリップ角(推進方向)を各々変えた場合の「スリップと牽引力の特性」を実験的に調査した.その結果とモデルのシミュレーション結果とを互いに比較し,砂の搬送係数を一定と置いた場合での定性的な一致を確認することができた.しかしながら,定量的な側面では,スリップの大小によって若干の差異が生じた.この結果からさらに,砂の搬送係数をスリップ状態に比例した形式で与えることが必要となることを導いた.また応用例として,螺旋スクリュ機構を双対配備した統合システムを提案し,そのマヌーバビリティに関する試験を行い,各スクリュの回転速度差により砂地で安定的に多様な移動軌道を実現可能であることを体系的に把握した. 第五章では,螺旋スクリュ機構による地中掘進に関して,軟弱地盤との相互力学モデルの構築を行った.モデル化において,表面移動時と同様に,定常動作時における螺旋翼間の堆積砂の運動方程式を導き,次に運動拘束と堆積砂の位置エネルギ増分から全作用力を導出した.ただし,表面移動時と比較して,堆積砂の重量項が付加されている他,空洞拡張理論を適用して圧縮による砂の側方土圧増分を表現した.構築モデルは,パラメトリック解析により深度に対して摩擦抵抗モーメントが二次曲線的な増加傾向を有する点を確認すると共に,摩擦抵抗モーメントに与える砂の物理パラメータの影響を検討し,砂の平均体積変化率が支配的であることを導いた.以上を踏まえて,単一スクリュユニットを試作し,掘進試験により実験的にモデルの妥当性を評価した.実験は,三種類の砂(珪砂,フライアッシュ,月模擬砂)を使用し,物理特性の違いを考慮した解析を行った.摩擦抵抗モーメントに対して,提案モデルと実験結果との間には良好な整合性を確認することができた.同時に,定量的な一致性を図るには,表層と深部との密度差によって平均体積変化率を適切に選定することが重要であるとの知見を得た. 第六章では,効率的な地中掘進動作の実現要求に対して,二重反転構造を備えた螺旋スクリュ機構を提案した.本提案機構は,螺旋翼を前後反転型に分割し,高密度な深部領域の砂を前部スクリュで高速攪拌し,後部スクリュでの効率的な砂の後方排出を具現化する構造である.併せて,モータ反トルクの相殺により本体の無反動化が可能である.本研究では,前後スクリュの回転速度を独立に印加可能な二重反転型螺旋スクリュ機構の試作機を製作し,実験解析を行った.実験では,比エネルギおよび機械的比エネルギを評価指標に,各回転速度比に対する最も効率的な掘進条件の探索を行った.その結果として,月模擬砂を用いた場合,前部スクリュが後部スクリュに対しておよそ三倍速く反回転する駆動状態が本試作機の最適条件となった.これは,前後スクリュ間での砂の受け渡しが最も効率的に行われている条件であると考えられ,寸法形状や砂特性により変化するものの,二重反転構造が有効に働く可能性を主張する結果である.さらに,本章では二十反転構造を採用した完全埋没型の地中掘進ロボットを提案・試作し,砂層掘進試験を実施した.実験を通じて得られた摩擦抵抗モーメント値は,第五章で構築したモデルに基づくシミュレーション推定値とも十分な整合性を示しており,提案システムの有効性および構築モデルの妥当性を併せて確認することができた. 第七章では,本研究の結論として各章で得られた成果を要約した.また,本研究のさらなる発展に向けて,今後取り組むべき課題を整理した. 以上より,本論文は,螺旋スクリュ機構の軟弱地盤適用に関して,これまで未確立であった理論体系化に取り組み,表面走行と地中掘進において統一的概念に基づく砂との相互力学モデルを新規に提案し,移動探査ロボットへの適用を行っている.特に,表面摩擦と砂の剪断特性を包含し,複雑な力学的相互作用を精緻に表現している.本論文は,螺旋スクリュ機構全般に対して最適設計論および駆動制御技術を定量的に議論する際の重要な指針を提示するものであり,月惑星探査における無人技術のみならず,地上での有人及び無人作業への応用・展開も包括した重要な概念を与えるものである. |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf |