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アイテム
レーザー場による分子動力学過程の制御に関する理論的研究
https://ir.soken.ac.jp/records/318
https://ir.soken.ac.jp/records/31851fb8b73-8c19-45d9-aa28-fde9eba89893
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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要旨・審査要旨 / Abstract, Screening Result (414.6 kB)
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本文 / Thesis (7.1 MB)
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Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2010-02-22 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | レーザー場による分子動力学過程の制御に関する理論的研究 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
長屋, 州宣
× 長屋, 州宣 |
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フリガナ |
ナガヤ, クニノブ
× ナガヤ, クニノブ |
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著者 |
NAGAYA, Kuninobu
× NAGAYA, Kuninobu |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第582号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 数物科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 08 機能分子科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2002-03-22 | |||||
学位授与年度 | ||||||
値 | 2001 | |||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 最近のレーザー技術のめざましい進歩のおかげで、レーザーを用いて化学反応などの分子過程を制御しようとする試みが多くの研究グループによって精力的に行われ、様々な制御方法が理論・実験の両面から提唱されている。 原子あるいは分子にレーザー場を照射することは、フロケ状態の描像によると、エネルギー準位あるいはポテンシャルエネルギー曲線の交差をレーザーパラメータ(周波数や強度)あるいは空間座標の関数として人工的に作り出すことと等価であり、レーザー場中における様々な原子・分子過程を、その交差で局所的に起こるフロケ状態間の非断熱遷移とみなすことが出来る。彼らの制御方法は、レーザー場中の原子・分子過程を断熱フロケ状態間の一連の非断熱遷移とみなし、非断熱遷移によって生じる複数の経路の間で建設的な(あるいは破壊的な)量子力学的干渉が起こるように各々の非断熱遷移を制御して望みの終状態を達成するというものである。非断熱遷移の半古典理論を用いることによって解析的なレーザー場の設計が可能となる。非断熱遷移は物理・化学などの様々な分野において状態変化の基本メカニズムを与える学際的な概念であるが、レーザー場による原子・分子過程の制御においても明快な物理的解釈を与えるという非常に重要な役割を担っている。 レーザー場の種類によって制御すべき非断熱遷移の機構は異なる。(1)非定常レーザー場の場合には、系がエネルギー準位のとき、あるいは核の運動に比べてレーザー場の変化が十分に速いときに、レーザー場の時間変化によって非断熱遷移が誘起される(時間依存の非断熱遷移)。(2)定常レーザー場の場合には、フロケ状態間の交差は空間座標の関数として生じ、分子の核の運動によって非断熱遷移が誘起される(時間非依存の非断熱遷移)。 (1)に関しては、以前に寺西・中村によって提案されたレーザーパラメータ(周波数や強度)の周期的掃引による分子過程制御の方法を、三準位及び四準位系に拡張して、近接準位内の一つの準位へ完全に分布反転を起こさせる条件を解析的に導いた。ところが、現実問題として実験で周期チャープパルスを作ることはかなり困難である。そこで、線形チャープパルス列を用いて分布移動を制御する新理論を二準位系に対して解析的に構築した。これは周期チャープパルスによる制御の一般化に相当する。原理的には、一往復の周期チャープパルスを二連の線形チャープパルスによって置き換えることが出来る。この新しい制御方法の長所は、遷移確率の表式がパルス面積(パルス幅)に全く依存しないことである。これは、非断熱遷移が交差点近傍において局所的に起こるためである。正確な面積を持つパルスを作ることは非常に困難であるので、この長所は実験において大変有益であると思われる。また、今や標準的なレーザー技術となっている線形チャープパルスによって実現出来るために周期チャープパルスに比べて実験の実現性がかなり高いことも大きな長所である。この新理論を多準位系にも拡張した結果、二準位系の場合と同様に遷移確率の表式がパルス面積(パルス幅)にほとんど依存しないことが解析的に明らかになった。 エネルギーが接近している多準位系の中のある一つの準位へ完全な分布反転を実現するためには時間幅の長いπパルスを用いるか、周波数をゆっくりと変化させるadiabatic rapid passage(ARP)を使う方法が一般的であり、そのために遷移に要する時間が必然的に長くなってしまう。ところが、彼らの周期チャープパルスあるいは線形チャープパルス列による方法を用いると、πパルスやARPに比べて遷移時間を不確定性関係から決まる限界の時間にまで大幅に短縮することが出来ることが分かった。従って彼らの方法は緩和の速い系に対してかなり有益であると思われる。 線形チャープパルス列による制御法を二原子分子の二つの束縛状態間の電子励起に応用した。あるポテンシャルエネルギー曲面上に局在した波束を作ることは、そのポテンシャルエネルギ一曲面の情報を引き出したりするのに非常に重要となる。セシウムダイマーを例に取って波東計算を実行したところ、線形チャープパルス列を用いると、πパルスや位相ロックパルスに比べて励起確率や励起波束の局在性がパルス面積の変化に対して非常に安定であることが分かった。これには、非断熱遷移が共鳴周波数付近で局所的に起こるためである。また、ARPに比べて必要なパルス面積が大幅に小さいことも分かった。彼らの方法は、完全な遷移確率で局在した励起波束を生成するのに非常に優れている。 (2)に関しては、非断熱トンネル型遷移において中村等によって発見された完全反射現象という量子力学的干渉効果を利用して分子の光解離分岐を選択的に制御する方法を提案した。定常レーザー場を分子に照射することによって、左右に解離チャンネルを持つ励起電子状態と一光子分のエネルギーだけ上にシフトした基底電子状態との間に二つの非断熱トンネル型ポテンシャル曲線交差を作り出す。一方の曲線交差で完全反射が起こるとその方向への解離は完全に制御され、反対側のチャンネルへの解離のみが起こる。レーザー周波数と最初の振動励起状態を適切に選ぶことによって、どちらのチャンネルへも選択的に解離を起こすことが出来る。この制御法は一次元のポテンシャル系に対しては完全に選択的である。二次元のポテンシャル系において制御が上手く働くためには、最初に用意する振動励起状態がポテンシャル交差の周辺でローカルモードの性質を強く持っている必要があり、ポテンシャルエネルギー曲面の多次元性のために完全な制御は困難であるが、かなり選択的な制御が可能であることを実証した。 また、二つの解離性ポテンシャルエネルギー曲線がある核間距離で強く結合している場合にその非断熱解離過程を選択的に制御する方法を提案した。定常レーザー場を照射すると、二つの解離性ポテンシャルエネルギー曲線の間に二つの擬交差が光誘起され、元々のポテンシャルエネルギ一曲線を伝播する波束と一光子分のエネルギーだけシフトしたポテンシャルエネルギ一曲線を伝播する波束に分岐してそれらの間で干渉が起こる。定常レーザー場の強度によって光誘起された擬交差で起こる分岐の割合を、レーザー周波数によって二つの経路間で生じる位相差を調節することにより選択的な解離を実現することが出来る。この制御法をNaIの前期解離過程に応用し、Na+IとNa+ +I-の二つの解離チャンネルのうちNa+Iチャンネルへの分岐を大幅に増やすことが出来ることを実証した。 レーザー場中の原子・分子過程をフロケ状態間で起こる一連の非断熱遷移とみなし、非定常レーザー場による時間依存非断熱遷移の制御あるいは定常レーザー場による時間非依存非断熱遷移の制御という観点から、様々な原子・分子過程の制御方法を非断熱遷移の半古典理論を用いて解析的に考案した。このように解析的に設計されたレーザー場の形は非常に簡単でかつその物理的解釈が明快であるために、実験での実現が強く期待される。 |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 | |||||
フォーマット | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | application/pdf | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | AM | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_ab4af688f83e57aa |