Item type |
学位論文 / Thesis or Dissertation(1) |
公開日 |
2010-02-22 |
タイトル |
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タイトル |
C/C複合材料の高温接合技術の開発 |
タイトル |
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言語 |
en |
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タイトル |
Development of high temperature bonding techniques for carbon fiber reinforced carbon matrix composites. |
言語 |
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言語 |
jpn |
資源タイプ |
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資源タイプ識別子 |
http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec |
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資源タイプ |
thesis |
著者名 |
小山, 昌志
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フリガナ |
コヤマ, マサシ
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著者 |
KOYAMA, Masashi
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学位授与機関 |
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学位授与機関名 |
総合研究大学院大学 |
学位名 |
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学位名 |
博士(工学) |
学位記番号 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
総研大甲第933号 |
研究科 |
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値 |
物理科学研究科 |
専攻 |
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値 |
11 宇宙科学専攻 |
学位授与年月日 |
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学位授与年月日 |
2006-03-24 |
学位授与年度 |
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2005 |
要旨 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
将来型宇宙輸送機を実現するためには、高性能エンジンの開発が必須である。現在<br />JAXAで開発検討が進められているATRエンジンの内部機関のタービン、燃焼室、プラ<br />グノズル等では1500℃以上の過酷な温度環境に曝されることが予測され、構造体の材料<br />として1500℃以上の温度域でも高強度、高靭性を維持できる炭素繊維強化炭素基複合材<br />料(C/C)を適用することが検討されている。ATRエンジン用構造体は、複雑形状をしてお<br />り、しかも個別に成型された部材を組み合わせる技術も要求される。しかしながら、C/C<br />複合材料を用いてそのような複雑形状部材を形成することは極めて困難とされており、複<br />雑構造物を形成するために必要な技術についての検討例も少ない。複雑構造物を形成する<br />に当たり有効な技術の一つが接合技術であり、一般に接合技術は機械的なものと化学的な<br />ものの2種類に大別される。C/Cについては、ピン継ぎ手やDove tail等の機械的接合と炭<br />素やSiCを接着剤とする化学的結合に関していくつかの実験的研究が行われたにすぎない。<br />本論文では、技術的な適用しやすさという観点から化学的結合に着目し、C/Cに適用する<br />際に発生する問題点を整理して最適な耐熱接着技術を提案するとともに、高温強度を評価<br />し実用化に向けた基礎データの取得も行った。<br /> 第1章では、C/Cの接合技術に関する概要をまとめると共に、本研究の目的と論文構成<br />を述べた。<br /> 第2章では、炭素材料を接着材料とする手法について検討を行った。接着層の前駆体と<br />しては、炭化収率が高いとされるフラン樹旨、フェノール樹脂、ポリベンゾオキサジンの<br />三種類についての検討を行い、同時に接着工程時の一軸加圧力の影響に対しての検討も行<br />った。その結果、フェノール樹脂、ポリベンゾオキサジンを用いた接着では、一軸加圧炭<br />素化を行うことにより、C/Cの層間せん断強度と同等程度の約10MPaの接着強度の実現<br />が可能であることが確認され、炭素化時の一軸加圧により接着層厚さを薄くできることが<br />高接着強度化には重要な用件であることが示された。フェノール樹脂に対しさらなる検討<br />を行った結果、接着層厚さの制御パラメータとして、樹脂ゲル化時のゲル化時間、樹脂硬<br />化時の加圧力が挙げられた。第2〜4章の検討では基板C/Cとしては積層型のC/Cを用い<br />た。<br /> 第3章では、フェノール樹脂を用いた炭素接着法で得られた試験片の高温接着強度の評<br />価を行った。この結果、試験温度上昇に伴い、接着強度の上昇が確認された。この上昇の<br />傾向はC/Cの総研剪断強度(ILSS)とほぼ同程度のものであることが確認された。続い<br />て、この高温強度上昇のメカニズムについて検討を行った。強度上昇の要因としては、1)<br />炭素の吸着ガス(主に水分)の影響による常温での強度低下、2)接着時の接着温度から<br />常温への温度降下時に発生する接着層内部残留熱応力の影響、3)熱処理温度の違いによ<br />る接着層炭素の物性の変化の3点が挙げられた。各要因の影響は確認試験及びFEM解析<br />により以下のように定量化された。<br />1)1073Kで脱ガス処理を行った結果、1873Kまでの接着強度とほぼ同等の接着強度が得<br />られたことから、2073Kまでの主な強度上昇の要因であることが分かった。<br />2)FEM解析による内部熱応力の算出、およびKendallの公式を用いた熱応力の接着強度<br />への影響の計算からわずかながらの影響が確認された。<br />3)2273Kの熱処理を施した接着試験片と、2073Kの接着試験片で常温強度測定を行った<br />結果、高い熱処理温度を有する試験片で高い接着強度が、接着温度2073K以上での強度<br />上昇の要因を有ることが確認された。<br /> 第4章では、前章で得られた接着手法を基に、より高い強度をもち接着処理が容易な<br />Hybrid接着技術を提案した。炭素接着は低強度であり、SiC接着は高接着強度をもつが、<br />接着時に5MPa以上の高い加圧力が必要であり、大面積接着や複雑構造には適用しがたい。<br />一方、Hybrid接着は、炭素接着層に発生する欠陥にSiCを生成させ強化を図るもので、SiC<br />接着と同等の強度を有し、接着処理時に高温雰囲気での加圧を必要としないことから、大<br />型構造や複雑構造へも適用が容易な手法である。Hybrid接着は接着層厚さ30〜50μmで安<br />定した高接着強度を示し、高温接着強度試験の結果、2000℃までの温度上昇に伴い接着強<br />度が上昇した。強度上昇の要因として、残留熱応力の効果及び高温熱処理により接着層の<br />結晶構造変化が主たる要因と確認された。<br /> 以上では積層型のC/Cに関する検討結果であるが、実用上は様々な繊維配向分布のC/C<br />が用いられている。そこで第5章では、Hybrid接着強度に対する繊維配向分布の効果を明<br />らかにするための基礎検討を行った。本章では、繊維配向分布の接着強度への影響は、基<br />板間及び基板−接着間の熱膨張のミスマッチに基づくとの大前提を基に検討を進めた。<br />即ち、一方向強化材(UD-C/C)の繊維方向に平行及び直交する面で切り出した試料を組み合<br />わせてHybrid接着処理を施し強度を測定した。<br /> 第6章では、実用上重要な三次元強化(3D-)C/C材の接着強度を評価した。3D-C/C<br />では、接着面に現れる繊維が面に平行であったり直交したりする。この結果接着面の位置<br />により熱膨張係数が大きく異なり、の室温で仕上げた平滑面は高温で凹凸をもつことに<br />なる。この凹凸の発生により約300MPsもの高応力が接着界面に発生する。この応力によ<br />り接着面の剥離等が生じ、3D-C/Cの接着は極めて困難であることが示された。<br /> 第7章では、以上の研究成果を要約すると共に、C/Cの接着技術に関して今後の研究課<br />題を提示した。 |
所蔵 |
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値 |
有 |