WEKO3
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HOMダンパーは加速モードとHOMを選別し、加速モードは空洞内に閉じ込め、HOMのみをダンプする機能が必要である。既存の超伝導加速空洞用HOMダンパーでは主に2つの方法が使われている。1つ目は導波管やビームパイプのCutoff周波数を加速モード周波数以上に設定することでHOMのみ伝播させRF吸収体でダンプする方法である。2つ目はビームパイプ部に設置したループアンテナで加速モードとHOMを結合させ、カップラー内部に組み込んだ加速モード周波数を反射するバンドパスフィルターを使い加速モードを空洞内部に閉じ込め、HOMのみカップラーから空洞外部に取り出しRFダンパーでダンプするTESLA型HOM Couplerと呼ばれる方法がある。後者の方法をILCではBaselineとして採用している。\r\n\u0026nbsp;\u0026nbsp;導波管やビームパイプのCutoff周波数を利用する方法はHOMダンパーのサイズが大きくなることや、ビームパイプ径をHOMが取り出せるように大きくしなければならず加速モード場のビームパイプへの染み出しが大きくなり加速勾配が低くなるためILCには適さない。TESLA型HOM Couplerはコンパクトな形状ではあるが、ビーム軸に対し局所的に取り付けられるため、Dipoleモードの縮退が解かれHOM Couplerと結合が弱いHOMが生じる問題点を持つ。\r\n\u0026nbsp;\u0026nbsp;一方、加速空洞の高電界化の観点から見ると、TESLA型HOM Couplerは複雑な形状を持ち洗浄が困難なため40MV/m付近から高電界でQ Slopeを引き起こし、高電界を達成できないという問題がある。\r\n\u0026nbsp;\u0026nbsp;我々は既存のHOM ダンパーに代わるDemountable Damped Cavity (DDC)と名付けたHOMダンパーをILCのAlternative Cavity Design(ACD)として提案する。\r\n\u0026nbsp;\u0026nbsp; DDCのRF構造について説明する。まず、加速モードとHOMを同軸管に結合させる。この同軸管の外導体にはBeampipeを用いる。内導体の挿入長さによって結合を強くできる。次に、同軸管途中に設置したChokeで加速モードのみ加速空洞側に反射して、加速モードを加速空洞内に閉じ込める。一方、HOMは同軸管を伝播し同軸管終端まで到達する。最後に、同軸管終端には77Kのサーマルアンカーに保持されたRF吸収体(Ferrite)で熱に変換しダンプする。\r\n\u0026nbsp;\u0026nbsp; DDCでは高電界でのQ Slopeを克服するためにChoke部をフランジ構造にしてDemountableにすることで、洗浄を容易にしている。なお、DDCではHe Vessel のBaseplateをChoke空洞の一部としDemountableのフランジとしても用いることで、ILCに要求されるコンパクト化を実現する。\r\n\u0026nbsp;\u0026nbsp;本研究ではIchiro単セル空洞にDDCを適用してDDCの原理実証を行うことを目的とする。原理実証試験で検証した項目は主に以下の5つである。\r\n\r\n[1] シミュレーションによるアイデアの検証\r\nシミュレーションの結果、Chokeのバンド幅は25kHzであった。これは9Cell空洞のLorentz Detuning量~1 kHzに比べて十分に大きい。超伝導空洞はHigh-Qであるために周りの振動やLorentz Detuningによる周波数の離調問題がある。本アイデアは、こうしたHigh-Qでも十分に使える事が検証された。\r\n\r\n[2] 加速空洞とChokeの周波数マッチングの検証\r\n加速空洞とChokeの周波数マッチングを室温で取った状態で2Kに冷却しても周波数マッチングを維持できた。空洞冷却時における空洞とChokeの周波数の離調問題がないことが分かった。Chokeにチュナーなどを付ける必要がないことが分かった。\r\n\r\n[3] Demountable性の実証\r\nDemountable部の磁場強さは加速空洞の最大表面磁場の1/6であるのでDemountable部はSuper-Jointでなければならない。Demountableのフランジ形状を修正する事で最終的に加速電界19 MV/m 、Qo=1.5×1010を得た。Demountable構造が磁場の強い場所でも使える事を実証した。ただし再現性の追求が今後の課題である。\r\n\r\n[4] 洗浄の容易さの実証\r\n上に述べたDemountable部の実証試験ではX線は観測されなかった。また、他の測定でもX線が観測されていない。これによりDemountableにすることで容易に表面洗浄できる事を実証した。\r\n\r\n[5] Multipacting(MP)、 Field Emission(FE)の検証\r\nシミュレーションでは、Choke内のMPは弱い事が予想されている。内導体を含めた試験では、最大加速電界までX線は観測されていない。このことからMPやFEは全く問題ないことが実証された。また内導体などを空洞に持ち込んでも、Field Emission やMultipactingが起きないことが分かった。\r\n\r\n[6] 吸収体でのHOMのダンプ率\r\n吸収体を装着した試験の結果、吸収体での損失を表すQ値QHOMは常温で、TE111はQHOM=200、TM110はQHOM=300を得た。これはTESLA型HOM Couplerに比べ1~2桁良い値である。このように高いダンプ力が得られる事がDDCの特徴の一つである。今後、2Kに冷却した場合の吸収体での損失を測定する。\r\n\r\n \u0026nbsp;\u0026nbsp;以上のようにDDCの各項目を原理実証できた。", "subitem_description_type": "Other"}]}, "item_1_description_7": {"attribute_name": "学位記番号", "attribute_value_mlt": [{"subitem_description": "総研大甲第1492号", "subitem_description_type": "Other"}]}, "item_1_select_14": {"attribute_name": "所蔵", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "有"}]}, "item_1_select_16": {"attribute_name": "複写", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "全文公開可"}]}, "item_1_select_17": {"attribute_name": "公開状況", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "application/pdf"}]}, "item_1_select_8": {"attribute_name": "研究科", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "高エネルギー加速器科学研究科"}]}, "item_1_select_9": {"attribute_name": "専攻", "attribute_value_mlt": [{"subitem_select_item": "12 加速器科学専攻"}]}, "item_1_text_10": {"attribute_name": "学位授与年度", "attribute_value_mlt": [{"subitem_text_value": "2011"}]}, "item_creator": {"attribute_name": "著者", "attribute_type": "creator", "attribute_value_mlt": [{"creatorNames": [{"creatorName": "KONOMI, Taro", "creatorNameLang": "en"}], "nameIdentifiers": [{"nameIdentifier": "143", "nameIdentifierScheme": "WEKO"}]}]}, "item_files": {"attribute_name": "ファイル情報", "attribute_type": "file", "attribute_value_mlt": [{"accessrole": "open_date", "date": [{"dateType": "Available", "dateValue": "2016-02-17"}], "displaytype": "simple", "download_preview_message": "", "file_order": 0, "filename": "甲1492_要旨.pdf", "filesize": [{"value": "333.2 kB"}], "format": "application/pdf", "future_date_message": "", "is_thumbnail": false, "licensetype": "license_11", "mimetype": "application/pdf", "size": 333200.0, "url": {"label": "要旨・審査要旨", "url": "https://ir.soken.ac.jp/record/3119/files/甲1492_要旨.pdf"}, "version_id": "a4cec69c-771c-4bb3-a392-cc2966a99422"}, {"accessrole": "open_date", "date": [{"dateType": "Available", "dateValue": "2016-02-17"}], "displaytype": "simple", "download_preview_message": "", "file_order": 1, "filename": "甲1492_本文.pdf", "filesize": [{"value": "21.5 MB"}], "format": "application/pdf", "future_date_message": "", "is_thumbnail": false, "licensetype": "license_11", "mimetype": "application/pdf", "size": 21500000.0, "url": {"label": "本文", "url": "https://ir.soken.ac.jp/record/3119/files/甲1492_本文.pdf"}, "version_id": "3ce97b63-8504-44dd-9de4-ac3afb119eb6"}]}, "item_language": {"attribute_name": "言語", "attribute_value_mlt": [{"subitem_language": "jpn"}]}, "item_resource_type": {"attribute_name": "資源タイプ", "attribute_value_mlt": [{"resourcetype": "thesis", "resourceuri": "http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec"}]}, "item_title": "超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発", "item_titles": {"attribute_name": "タイトル", "attribute_value_mlt": [{"subitem_title": "超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発"}]}, "item_type_id": "1", "owner": "21", "path": ["14"], "permalink_uri": "https://ir.soken.ac.jp/records/3119", "pubdate": {"attribute_name": "公開日", "attribute_value": "2012-09-10"}, "publish_date": "2012-09-10", "publish_status": "0", "recid": "3119", "relation": {}, "relation_version_is_last": true, "title": ["超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発"], "weko_shared_id": -1}
超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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![]() |
||
![]() |
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
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公開日 | 2012-09-10 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | 超伝導加速空洞のための新しい高次モードダンパーの開発 | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
資源タイプ | thesis | |||||
著者名 |
許斐, 太郎
× 許斐, 太郎 |
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フリガナ |
コノミ, タロウ
× コノミ, タロウ |
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著者 |
KONOMI, Taro
× KONOMI, Taro |
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学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | 総合研究大学院大学 | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(理学) | |||||
学位記番号 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 総研大甲第1492号 | |||||
研究科 | ||||||
値 | 高エネルギー加速器科学研究科 | |||||
専攻 | ||||||
値 | 12 加速器科学専攻 | |||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2012-03-23 | |||||
学位授与年度 | ||||||
2011 | ||||||
要旨 | ||||||
内容記述タイプ | Other | |||||
内容記述 | 超伝導加速空洞は次世代高エネルギー物理学実験機ILC (International Linear Collider: 国際リニアコライダー)の中核技術として用いられる。ILCの特徴はビームが1つの加速空胴を1度しか通過しない線形加速器を使用する点である。このためILC加速器ではビーム衝突点までエミッタンスやエネルギー広がり等を保ったまま加速できる加速空洞が求められる。そこで、超伝導加速空洞の高電界化と高エネルギービームを高品質に保つことが重要である。また中心エネルギー500GeVを得るために、1.3GHzの9Cell超伝導加速空洞が約16000台必要であるため、建設コストを抑えるためにコンパクトな設計でなければならない。 加速空洞とはその内部にマイクロ波を閉じ込めた共振器であり、加速空洞の場合、加速に適したTM010モードを閉じ込めている。ただし、加速空洞にはビームの加速に用いる加速モード以外にHOM(Higher Order Mode:高次モード)と呼ばれる共振モードが数多く存在する。HOMはビームが空洞を通過するときに発生するWakefield(航跡場)により励起され、後続のビームに作用しビームエミッタンス・エネルギー広がりを劣化させる。このため、HOMダンパーと呼ばれるHOMをダンプする構造物が加速空洞には不可欠である。 HOMダンパーは加速モードとHOMを選別し、加速モードは空洞内に閉じ込め、HOMのみをダンプする機能が必要である。既存の超伝導加速空洞用HOMダンパーでは主に2つの方法が使われている。1つ目は導波管やビームパイプのCutoff周波数を加速モード周波数以上に設定することでHOMのみ伝播させRF吸収体でダンプする方法である。2つ目はビームパイプ部に設置したループアンテナで加速モードとHOMを結合させ、カップラー内部に組み込んだ加速モード周波数を反射するバンドパスフィルターを使い加速モードを空洞内部に閉じ込め、HOMのみカップラーから空洞外部に取り出しRFダンパーでダンプするTESLA型HOM Couplerと呼ばれる方法がある。後者の方法をILCではBaselineとして採用している。 導波管やビームパイプのCutoff周波数を利用する方法はHOMダンパーのサイズが大きくなることや、ビームパイプ径をHOMが取り出せるように大きくしなければならず加速モード場のビームパイプへの染み出しが大きくなり加速勾配が低くなるためILCには適さない。TESLA型HOM Couplerはコンパクトな形状ではあるが、ビーム軸に対し局所的に取り付けられるため、Dipoleモードの縮退が解かれHOM Couplerと結合が弱いHOMが生じる問題点を持つ。 一方、加速空洞の高電界化の観点から見ると、TESLA型HOM Couplerは複雑な形状を持ち洗浄が困難なため40MV/m付近から高電界でQ Slopeを引き起こし、高電界を達成できないという問題がある。 我々は既存のHOM ダンパーに代わるDemountable Damped Cavity (DDC)と名付けたHOMダンパーをILCのAlternative Cavity Design(ACD)として提案する。 DDCのRF構造について説明する。まず、加速モードとHOMを同軸管に結合させる。この同軸管の外導体にはBeampipeを用いる。内導体の挿入長さによって結合を強くできる。次に、同軸管途中に設置したChokeで加速モードのみ加速空洞側に反射して、加速モードを加速空洞内に閉じ込める。一方、HOMは同軸管を伝播し同軸管終端まで到達する。最後に、同軸管終端には77Kのサーマルアンカーに保持されたRF吸収体(Ferrite)で熱に変換しダンプする。 DDCでは高電界でのQ Slopeを克服するためにChoke部をフランジ構造にしてDemountableにすることで、洗浄を容易にしている。なお、DDCではHe Vessel のBaseplateをChoke空洞の一部としDemountableのフランジとしても用いることで、ILCに要求されるコンパクト化を実現する。 本研究ではIchiro単セル空洞にDDCを適用してDDCの原理実証を行うことを目的とする。原理実証試験で検証した項目は主に以下の5つである。 [1] シミュレーションによるアイデアの検証 シミュレーションの結果、Chokeのバンド幅は25kHzであった。これは9Cell空洞のLorentz Detuning量~1 kHzに比べて十分に大きい。超伝導空洞はHigh-Qであるために周りの振動やLorentz Detuningによる周波数の離調問題がある。本アイデアは、こうしたHigh-Qでも十分に使える事が検証された。 [2] 加速空洞とChokeの周波数マッチングの検証 加速空洞とChokeの周波数マッチングを室温で取った状態で2Kに冷却しても周波数マッチングを維持できた。空洞冷却時における空洞とChokeの周波数の離調問題がないことが分かった。Chokeにチュナーなどを付ける必要がないことが分かった。 [3] Demountable性の実証 Demountable部の磁場強さは加速空洞の最大表面磁場の1/6であるのでDemountable部はSuper-Jointでなければならない。Demountableのフランジ形状を修正する事で最終的に加速電界19 MV/m 、Qo=1.5×1010を得た。Demountable構造が磁場の強い場所でも使える事を実証した。ただし再現性の追求が今後の課題である。 [4] 洗浄の容易さの実証 上に述べたDemountable部の実証試験ではX線は観測されなかった。また、他の測定でもX線が観測されていない。これによりDemountableにすることで容易に表面洗浄できる事を実証した。 [5] Multipacting(MP)、 Field Emission(FE)の検証 シミュレーションでは、Choke内のMPは弱い事が予想されている。内導体を含めた試験では、最大加速電界までX線は観測されていない。このことからMPやFEは全く問題ないことが実証された。また内導体などを空洞に持ち込んでも、Field Emission やMultipactingが起きないことが分かった。 [6] 吸収体でのHOMのダンプ率 吸収体を装着した試験の結果、吸収体での損失を表すQ値QHOMは常温で、TE111はQHOM=200、TM110はQHOM=300を得た。これはTESLA型HOM Couplerに比べ1~2桁良い値である。このように高いダンプ力が得られる事がDDCの特徴の一つである。今後、2Kに冷却した場合の吸収体での損失を測定する。 以上のようにDDCの各項目を原理実証できた。 |
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所蔵 | ||||||
値 | 有 |