Item type |
学位論文 / Thesis or Dissertation(1) |
公開日 |
2010-02-22 |
タイトル |
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タイトル |
電子貯蔵リングにおけるマイクロパーティクルのトラッピング現象の観測と解析 |
タイトル |
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タイトル |
Observation and analysis of microparticle trapping phenomena in an electron strage ring |
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言語 |
en |
言語 |
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言語 |
jpn |
資源タイプ |
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資源タイプ識別子 |
http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec |
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資源タイプ |
thesis |
著者名 |
佐伯, 宏
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フリガナ |
サエキ, ヒロシ
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著者 |
SAEKI, Hiroshi
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学位授与機関 |
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学位授与機関名 |
総合研究大学院大学 |
学位名 |
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学位名 |
博士(学術) |
学位記番号 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
総研大甲第30号 |
研究科 |
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値 |
数物科学研究科 |
専攻 |
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値 |
12 加速器科学専攻 |
学位授与年月日 |
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学位授与年月日 |
1992-03-31 |
学位授与年度 |
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値 |
1991 |
要旨 |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
本文は、電子貯蔵リングにおいて、ビームダクト内のマイクロパーティク<br />ルが電子ビームへ吸収され、ビーム寿命を急激に短縮させる現象について述べ<br />たものである。<br /> 高エネルギー物理学研究所のトリスタン電子・陽電子衝突リングの入射蓄積<br />リングARでは、電子貯蔵運転中にビーム寿命が突然短縮し、そのまま復帰し<br />ない現象ならびに短時間のビーム寿命の短縮がしばしば観測され、ビームダク<br />ト内に残留するマイクロパーティクルのトラップによると思われるビーム電流<br />値の微少現象がしばしば観測されている。 こうした現象は、精密化した物理実<br />験やシンクロトロン放射光利用実験にとって大きな障害となり、世界各地の電<br />子貯蔵リングで大変な問題となっている。 しかしながら、マイクロパーティク<br />ルのトラッピング現象の本格的な観測や実験、その理論的考察などについては<br />ほとんど行なわれていなかった。 そこで、 ビーム寿命が短縮する現象は、トラッ<br />プされたマイクロパーティクルがビーム軌道周辺で運動するためと推測し、 A<br />Rにおいてその機構解明を試みた。<br /> ビームダクト内に残留するマイクロパーティクルは、光子の散乱照射による<br />光電子放出で正電荷を与えられ、電子ビームがつくる電場の吸引力によりトラ<br />ップされると考えられる。また。トラップされたマイクロパーティクルと電子<br />ビームとの衝突では、残留ガスによる制動放射に比べてはるかに多量の制動放<br />射(ガンマー線)を観測することができると期待される。さらに、数秒間程度の時間範囲<br />での制動放射を観測することで、ビーム軌道周辺でのマイクロパーティクルの<br />運動が推測できると考え、鉛ガラスカウンターを使用した制動放射の観測を行<br />なった。 その結果、観測例は2例であるが、ビーム寿命が短縮し持続した状態で、<br />電子ビームのバンチ信号に対応した高エネルギーの制動放射の信号、マイクロ<br />パーティクルがビームを上下に通過したと考えられる時間幅0.1-0.2ms<br /> の信号と特徴的な2連の1-2秒周期性のある信号を観測した。 また、観測<br />された信号の電圧は6.5GeV (ビームエネルギー)のガンマー線のそれよ<br />りはるかに高いものであった。 さらに、観測結果からマイクロパーティクルが<br />0.05-0.2m/s の速度で電子ビームの進行方向に移動していることが<br />観測された。<br /> 一方、ARにおけるマイクロパーティクルのトラップする条件、トラップさ<br />れうる大きさとそのビーム軌道周辺での運動の解析をMarinの式を用いて<br />行なった。 ビーム直下にマイクロパーティクルが存在し垂直上方に電気的に吸引<br />されると仮定して解析した。 それらの電荷をQ(Coulomb)、質量をm<br />(Kg)、電子ビームにより作り出されるビームダクト底面における電場を<br />E(V/m)とした場合、 ARにおけるマイクロパーティクルのトラップする<br />条件として得られたQE/mの値は1.85×105(Newton/Kg)となっ<br />た。パーティクルの表面に現れる電荷は光子エネルギーに依存する。 ビーム<br />ダクト内で採取されたマイクロパーティクルの多くはアルミニウム系とチタン<br />系で、吸収されうるパーティクルの大きさを試算した。 それらの形を球形とし<br />た時の計算では、材質がアルミニウムの場合、最大粒径は約100ミクロンで、<br />チタンの場合は約70ミクロンであった。 マイクロパーティクルのビーム軌道<br />周辺での運動を単純な垂直振動とした計算で、その運動周期は約0.7秒とな<br />り、2例の観測結果とほぼ一致した。<br /> ARにおいて、実際のビームダクトとイオンポンプ内で採取したサンプルの<br />マイクロパーティクル(サイズ50-100ミクロン)を挿入してのトラッピ<br />ング実験を行なった。 9回の実験で4回、サンプルのいくつかが電子ビームにト<br />ラップされたと考えられる短時間のビーム寿命の短縮とビームのバンチ信号に<br />対応した高エネルギーの制動放射の信号、マイクロパーティクルがビームを通<br />過したと考えられる信号を観測した。ビーム寿命の短時間の短縮は、トラップ<br />されたマイクロパーティクルが、ビーム損失による発熱で破壊されるためと推<br />測する。 また、 ARにおいてビーム寿命が回復しない場合は、マイクロパーテ<br />ィクルが発熱により破壊されずビーム軌道周辺を運動し続ける為と考えられ<br />る。<br /> ARにおいてビーム寿命が短縮した場合、2連の周期1-2秒の高エネルギ<br />ーの制動放射を観測した。 マイクロパーティクルのビーム軌道周辺での運動周<br />期は観測値とほぼ一致した。 また、トラップを考慮してビーム寿命を計算した<br />ところ観測値とほぼ一致した。 従って、ARで発生するビーム寿命が短縮し持<br />続する現象はマイクロパーティクルに起因していると結論できる。 |
所蔵 |
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値 |
有 |
フォーマット |
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内容記述タイプ |
Other |
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内容記述 |
application/pdf |